1991年に放送されていた「おれは直角」です。
普段70年代~80年代のアニメばかり見ている私にとって、数少ない貴重な90年代アニメのレビューです。でも、原作は73年頃だそうなので、作品自体は70年代のものなんですよねぇ。
このアニメが放送されていた当時、私は小6~中1でした。91年なので、まるまる中1の頃なのかとずっと思っていたら、91年1月から放送開始だったそうなので「おぉ!小学生の頃からやってたのか!」と思いました。細かいことですが、子供~学生時代は数か月違うだけで置かれている環境が違ったりするので、思い出も変化してきて、意外とこの差って大事なんですよね。
それはいいとして、もちろんこのアニメはリアルタイムで知っていました。でも、当時は「スーパービックリマン」のレビューの所でも語ってますが、アニメを見たくてもいろんな理由で見れなかったりしたので、「直角」も毎週見ていたわけではなく、たまに見れる時に見る程度でした。そんな感じなので、物語として何が描かれていたのかあまり記憶になく、でもずっと見てみたいと思っていたので社会人になってからDVDを購入。そして、いつもの通り途中まで見て放置。それを今になって視聴したといういつものパターンです(^^;)
直角について、当時の思い出としては、中1の頃の担任の先生(30代前半の女性)が「好きなアニメ」としてこれを挙げたこと。私はこの担任の先生のことが大好きで尊敬していたので、先生もアニメを見たりするんだということがとても嬉しかったのを覚えています。ちなみに、先生は直角の曲がったことが嫌いな性格が好きなのと、家の中の物や庭の木や飛び石とか全てを直角にしてしまった、というエピソードがツボなのだそう。
もう一つの思い出としては、友人から「昨日、弟(小学校低学年)が箸を買ったんだけど、何のキャラクターの箸を買ったでしょう?」というクイズを出されて、私はその弟がドラゴンボールが好きだというのを知っていたので、ドラゴンボールの箸かと思ったら「直角の箸を買ったんだよ!」と言われ、その意外さに二人で爆笑したことです。めちゃくちゃ細かいことなんですが、なぜか今も忘れられない会話として頭に残っています(笑)。ちなみに、直角って箸やら食器やら生活用品のグッズが結構たくさん売ってあったんですよね。私も当時見たことがあるし、今でもネットでそれ系のグッズを検索しているとよく見かけます。
それでも、それなりにとても楽しめましたのでまたいろいろ語っていきたいと思います。
★良かったところ★
主題歌が良い
特にOPの「学問のスズメ」は一度聴いたら忘れられないくらいとてもインパクトのある歌で、私と同世代の方ならきっと一度や二度聴いたことがあるのではと思います。♪学問の道 いざゆかん エグゼクティブな未来のため~♪のところが特に好きです。曲はオールディズのロック調で、歌詞は暗記問題の語呂合わせを絡めたもの。この歌を覚えていたおかげでテストで助かったという思い出がある方もきっといるはず・・。私も当時からこの歌が好きで、高校の頃友人にこの曲が収録されたサントラ盤を借りたのも懐かしい思い出です。
あと、当時はED「嫌いにならずにはいられない」はあまり好きではなかった(というより、聴くのがなんだか恥ずかしかった)けど、今改めて聴くと心に沁みるイイ歌だなと思います。特に本編のドタバタを見た後に聴くには本当にちょうどいい歌だなと。でもあの歌詞に出てくる「嫌いな物」が今聴くとほとんど好きな物になっていました。イワシは未だに苦手だけど・・あとは全部イケるなぁ(笑)。
主題歌を歌っていたのはビジーフォースペシャルで、それもめちゃくちゃ懐かしいです。あの、ものまね四天王のビジーフォー。「ものまね王座決定戦」ではいつも洋楽を歌っていて、結局似てるのか似てないのか、それがモノマネなんだかどうなのかわからなかった・・そういう所も思い出されて大変懐かしいです。いつも裏声で「ライオンは寝ている」を歌っていたなぁ。あと、ここで語ることじゃないけどビジーフォーといえば「じゃりン子チエ」の映画の主題歌がまたとてもイイんですよ。直角の歌つながりでビジーフォーを調べていたら、そのじゃりン子チエの映画主題歌を歌っている映像を見つけて、その若さ・初々しさに驚愕したものです。興味のある方はぜひ検索していただきたいです。
キャラデザが良い
キャラデザはちょっとだけ雰囲気を90年代風にアレンジしただけで、基本は原作とあまり変わっていないと思います。と言っても、原作は全然読んでいないのではっきりとは言えませんが、照正君のデザインはちょっと丸っこくアニメ用にアレンジされてカワイイ感じになっていると思います。「がんばれ元気」とかもそうだけど、もともと小山ゆう先生の絵がアニメにしやすい感じなんだろうなと思っています。
作画も大幅に崩れることもなく、とても見やすかったです。
明るく爽やかな作風
次から次に悪い奴・嫌な奴ががたくさん出てくるのですが、どんなにあくどい奴でも直角と対決して「敵わない」と思うとすぐに潔く負けを認めるのです。そして考えを改めみんなイイ人に。「実際はそんな上手くいく訳ねぇーだろ、人の心はそんなに極端に変わらないよ・・」とそっと小声で突っ込むこと多数でしたが、少年漫画なんだからそれでイイのですよ。直角自体もかなり極端な人物ですが、正しいか正しくないかは別として、いつも一生懸命やったことが必ず報われるからこそ見ていて安心感があるし、スッキリとした爽快感を感じることができました。その他にも、直角が理不尽な理由で殴られたり罰を受けたり、一歩間違えればイジメ・虐待を受けているシーンを見せつけられているようなエグい展開が多いにも関わらず、直角自身のスーパーポジティブ思考と、良い方に思い込みが激しい性格が幸いして、見ていて不快感を感じなかったのがスゴイと思いました。殴られるシーンもどこかコミカルだったり、ボコボコにやられてさっきまで傷だらけだったはずなのに次のシーンでは何事もなかったかのようにキレイに治っていたりと、そういうところも「あれっ?」と思わせつつも良かったところだと思います。
直角がカワイイ
直角は暴れん坊で、いつも騒ぎや問題を起こすから手に負えないとお父さんは嘆いていたけど、ヤンチャな性格ではなくどちらかといえばむしろ真面目な優等生タイプ。ただ、考えが極端すぎるのと猪突猛進タイプで後先考えず暴走してしまうだけなんですよね。人を諭す時の口癖が「あなた方は・・」なのはちょっとビックリしてしまいました(笑)。そんな暴れん坊キャラは今まで見たことなかったので。
でも、あの体のサイズ感といい話し方といい、両親や友達への態度といい、とても可愛らしいなと思いました。両親も、あんな息子がいて可愛いだろうな。直角の年齢は8~10歳くらいなのかなとずっと思っていたら、照正君のいたずらでおねしょ疑惑をかけられた際に13歳だったということが判明して「そんなに大きかったのか!」と驚きました。小3とか小4じゃなかったのか・・それならおねしょ疑惑でみんなを騙そうとしたのも年齢的にちょっと無理があったのでは・・。郷さんは最後まで騙されたままだったけど(笑)。
直角のお父さんが面白い
本人は厳しくしているつもりなのに、息子の直角をついつい甘やかしてしまっているというのが微笑ましくて好きでした。武士道がどうこうというわりには、親子関係は80~90年代風な感じが良かったです。たまに直角を殴ることがあっても、殴り方がほぼプロレス技だったり、鼻の穴に指を突っ込む攻撃をしたり、キックの時はふんどし丸出しだったりと全体的にコミカルに描かれていてそれが芸が細かくて毎回爆笑でした。声優さんのアドリブっぽいセリフ回しがあったりして、そこも面白さをアップさせていたと思います。あと、お上にはめっぽう弱いところもめちゃくちゃ面白かったです。そんな普段は冴えない所が多いお父さんだけど、最終決戦(?)の照正君を城代として更生させる話のあたりでは、直角に仕事のヒントを与えていたりと頼れるところもあってグッときたものです。
後半の照正君のエピソードはマジでいろいろ考えさせられる
照正君が登場するまでのエピソードは超・駆け足で進んでいたのに、照正君が登場してからはじっくり丁寧に描かれていたと思います。それだけ照正君がこのアニメの肝だということがよくわかります。それでも、あれだけ対抗意識を燃やしていた直角と打ち解けるのは思った以上に早かったですが・・。私は、20話以降の進級試験騒動から照正君の城代への道編までの流れがすごく好きで、それまでは一日2話ずつと決めて少しづつ鑑賞していましたが、だんだん先が気になって仕方なくなってきて、後半はザザっとまとめて見てしまいました。そのくらい怒涛の展開で面白かったです。
照正君の性格は無茶苦茶で、直角も回りも迷惑かけまくられでしたが、どこか影を感じて憎めないところがありました。そこで、照正君の性格が歪んでしまった幼少期のエピソードが語られて、直角は本気で照正君に向かい合おうとするのです。このあたりの話が本当に毎回泣けました。
その後、先代の城代(照正君のおじいちゃん)が病気になってしまい、急に照正君が城代にならなければいけなくなったのですが、ちょっとしたことから「アイツはバカだから立派な城代にはなれない」と、みんなに思われているような気がする と疑心暗鬼になり苦しむ照正君。そう思い始めたきっかけはほんのささいなことで、あの時おじいちゃんの会話を聞かなければそんなことは考えなかったかもしれない。聞いていたとしても気にしないパターンもあったかもしれない。デリケートで思春期な照正君は思い切り気にしてしまったということですね。こういうことって実際にありそうで、その照正君の苦しみがとてもリアルだと思いました。荒れ狂い、普段以上の奇行っぷり。現代で言えば家庭内暴力と暴走族になってしまったような荒れ方かと・・。でもそこはこのアニメの面白いところでどこかコミカルな感じに描かれていたのでそこまで悲壮感は感じさせず安心できます。
その後いろいろあって、照正君は両親のいない子供達と交流したりして少しずつ成長していくのですが、ここからがクライマックス!一番感動したのが、照正君を庇った直角が百叩きの刑を受けるところ。そこで自分自身が変わらないといけないと悟った照正君が直角の前に飛び出して、たった一人でも自分を信用してくれる人がいるならと、立派な城代になることを宣言したところです。この二人の友情が感動的なのはもちろんのこと、それまで直角のことをよく思っていなかった城の人達が考えを改めて直角を殴るのをやめさせようとしたり(この罰を提案したのも自分たちなのに)、それまでどこか事務的だった榊さんが協力的になったりと、そういうところも良かったです。それにしても、全て立花さんの作戦だったとはいえ、百叩きのシーンはなかなか見ていて辛いシーンでした。
★気になったところ★
前半の展開が早すぎる
直角が萩明倫館にやってきて、郷さんと対決・月形さんと対決・瞳くんと対決・剣道部を作る・じゅんさんと出会い・照正君との出会い ここまでのエピソードがわずか10話の中に詰め込まれています。特に郷さん・月形さんと仲良くなるのが早すぎでツッコミどころ満載でした。あんなに直角を嫌っていたのに、決闘に負けたらそんなにあっさり認めてその上仲良くなっちゃうの?そんな単純なことでいいのかい?と・・。
ところで、直角は全36話で、当時のアニメの話数にしては微妙に少ないのですが、もともとその話数と決まっていたんでしょうか。前半が駆け足、後半じっくり・・ということは打ち切りということでもなさそうだし・・・。
直角のクラスメイトの同調意識がすごすぎる
これも前半特に気になったところで、直角が月形さんや郷さんに勝った時は「やったぜ直角!!」「さすが直角さんだ!!」とみんな口々に称えまくるくせに、いろいろな事情があって直角が決闘の場所に来れなかったり、手を出せずにやむを得ず負けてしまった時には「直角の奴、見損なったぜ」「直角も大したことねぇな」とみんなで暴言吐きまくり。その上翌日から学校でシカト。その後、問題が解決したらまた人気も復活。なんじゃそりゃ。学校のクラスメイトはほぼみんなこんな感じで、学校に行っていない直角の友達たち(デコピンとか)も付き合い長いわりには案外薄情で似たようなもの。人気者で友達が多い直角だけど、最終的に残るのは照正君、郷さん、綾乃、じゅんさんくらいだろうな。まぁそれだけいれば充分か。
まっすぐで友達思いでプラス思考、能天気でお気楽なふりをしているけど「武士道」という言葉の裏に自分の本当の気持ちを押し殺してしまっていることも多い直角。いつか病んでしまいそう・・。
年齢設定が謎すぎる
上記のとおり、直角の年齢は13歳。
いくら直角との対決に負けてその人間性に惹かれたとはいえ、あんな小さい子(直角)と友人として対等に付き合う郷さんってちょっと変な奴かも、と思いかけていたので、ああ、実はそんなに年が離れているわけじゃないのか・・と安心(?)しました。あとで調べたら郷さんは直角の一学年先輩ということが分かったのですが、いやいや、さすがにそれはちょっとおかしくないか?見た目的には大人と子供、一休さんと新右衛門さんくらいの差があるんだけど・・。でも、一学年先輩だから年が一歳しか離れていないとは限らないし、現代と違って同じ学年でも年齢はバラバラなのかもしれない。せめて3~4歳は上であってほしかったです。
ちなみに、月形さん達は直角の2学年上とのこと。あんな老け顔で15歳前後だったってこと?いや、これも絶対違うだろう。あいつら30代~40代に見えたんだけど・・。もしかしたら、じゅんさんもああ見えてまだ14~15歳くらいなのかもしれない。
このあたりの年齢設定は自分の中では考えないようにしたいと思います(笑)。
「おれは直角」は全36話でしたが、35・36話はその後日談というかおまけというか箸休め的な雰囲気を感じたので、実質最終回は34話なんじゃないかなと思いました。34話は今まで登場したキャラが総出演してチビッコハウス的な物を建設する様子が描かれていたり、直角と照正君が成長してどうなったかが語られたりしていて、キレイな終わらせ方だと思ったのに35話からまた掘り返すの?と正直思いましたが、見てみるといつものドタバタを堪能することができて、これもまた結構面白かったです。
35話の饅頭の話は、素直に「饅頭が食べたい」と言えない照正君だったけど、あることがきっかけで町で死ぬほど食べることになり、その上そのことを知らない直角達から誕生日プレゼントに大量の饅頭を貰って「もう饅頭はこりごり!」・・みたいなオチになるのかなと予想していたのに、普通にハートフルな話で終わったのは意外でした。あの話を見た後、無性に饅頭が食べたくなって私もスーパーに買いに行きましたよ(笑)。36話は「最後は直角らしく、楽しく終わろう!」というのが感じられて面白かったですが、「家族旅行くらいたまには水入らずで普通に行かせてあげて!」とも思ってしまいました(^^;)
あとは、結局照正君のおじいちゃんはどうなったのか(だいぶ弱ってたけど、その後どうなったのかは不明のまま)じゅんさんと照正君が許嫁という話題はどうなったのか、それから、直角と郷さんの絡みはもっと見たかったなぁという感じでした。私は一休さんと新右衛門さんみたいな、ああいう年の差友情コンビが好きなんですよ。だからそういうエピソードはもっと見て見たかったなぁと思います。
全体的にとても面白かったので原作も読んでみたいと思いました。果たして原作でもあんなに駆け足でストーリーが進み、みんなすぐに直角にメロメロになってしまうのか?
私は今までこの手の時代物ってあまり見たり読んだりしたことがなかったのですが、それでも違和感なく面白かったです。時代物で見たことあるものといえば、「一休さん」「るろうに剣心」「仮面の忍者赤影」くらいかな(笑)。一休さんと赤影は大好きだけど、るろうに剣心はあまりハマらなかった・・。それでも直角は面白いと思えたので、私みたいに普段はあまり時代物に興味がない方にもおススメです。
それにしても91年の土曜といえば 直角→きんぎょ注意報→おぼっちゃまくん→暴れん坊将軍 の流れでしたね。懐かしすぎて死にそうです(笑)。92年の 幽遊白書→セーラームーン→パプワくん の流れも最高だったけど・・。個人的に90~92年が、私の人生において一番最高に楽しかった時期で、恥ずかしながら今もその頃の思い出を糧にして生きているくらいなので、本当に当時のことがいろいろ思い出されて懐かしくも切ない気分になってしまいました。記憶にないくらい小さい頃や、生まれてない頃のアニメを見るのも新鮮でイイけど、当時の記憶を辿りながら見るのもまた別の楽しみがあってイイですねぇ~。