アローエンブレム グランプリの鷹


1977年に放送されていた「グランプリの鷹」です。

このアニメはだいぶん前から興味があって、10年以上前にDVDまで購入したのに途中まで見て放置。この度、やっと全話見ることができましたので語りたいと思います。
実は、ここ10数年の間に「腰を据えて見よう!」と思いチャレンジすること3回。なのに、見始めるとなかなか進まず途中でストップして放置・・というのを繰り返していたのです。どこで止まっていたかというと、初期のメインイベントのイザベルとの出会い(12話)までたどり着かなかったんだから、いかに序盤ですぐに飽きてしまっていたかがわかります・・。
いろいろすごいし面白いしカッコいいアニメなのに、なぜスムーズに見進めることができなかったのか、今回真面目に(?)視聴した結果その理由がわかった気がしたので、そういうことについても語りたいと思います。

このアニメは、「スーパーカーブーム」真っ只中に放送された作品で、当時は他にもカーレース物のアニメがいくつかあったのですが、そのほとんどが撃沈。これだけが延長に延長を重ねて4クール、約1年間の放送を全うすることができたそうです。
スーパーカーブームって短いですよね。77年に放送開始ということは、制作が開始されたのは76年頃。それで78年にはもう下火のような感じですので約2年しかブームは続かなかったということですよね。ちなみに、79年生まれの私はこのブームがあったことすらある程度大きくなるまで知りませんでした。ほんの数年ズレただけでそのブームの跡形もなくなっていたというのがスゴイです。カーレース自体はなくなることなくずっと続いているのに。
ちなみに、スーパーカー、レース関係で私が知っていることといえば・・・

・カウンタック・ランボルギーニ・フェラーリ
スーパーカーといえばコレですよね。テレビで当時のブームの頃の様子として映像が紹介される時は、小学校高学年~中学生くらいの男の子達がショールームの車に群がって写真を撮りまくっている姿が定番ですね。

・スーパーカー消しゴム
親戚の家にありました。でもこの親戚の子もどちらかといえばキン消し世代でした。

・よろしくメカドック
原作のレビューはこちらでしてます。アニメは見たことがなく、いつか見ようと思ってそのまま放置してあります(^^;) これも主題歌がイイんですよねぇ~。

・サイバーフォーミュラ
私の世代のカーレースアニメといえばコレ!!これはめちゃくちゃ知ってます!当時中学生だったので世代なんですよ。私もテレビシリーズは全部見ていて、スパっとハマってスパっと飽きました。やたら女性ファン受けが良かったのが印象深いですが、実は内容もちゃんとアツくてイイんですよね。もう一度見直して語りたいと思っているアニメのひとつです。

・80年代後半~90年代、日曜日の午後からF1がテレビ放送されていた
どこにも行かない日曜日はこれかゴルフ中継が延々とテレビで流れていたのを思い出します。「スーパージョッキー」が終わった後くらいの時間で、あと半日で日曜が終わってしまうというちょっと憂鬱な時間でした。そして、「せっかくの日曜日なのにどこへも行かず何もせず無駄に過ごしてしまった」という気分に苛まれる時間でもありました。2000年代になると、深夜に放送されていましたが、最近は放送されてないですよね??BSとかでやってるんでしょうか??

・アイルトンセナ
この人の存在だけはレースに興味がなくてもみんな知っていたと思います。

・ゴクミの旦那はカーレーサー
そこそこ衝撃的でした(笑)。

・マッチはカーレーサー
これも懐かしすぎる(笑)。当時、「明星」でマッチの車に光GENJIの諸星君が乗るという企画が載っていたのを思い出します。

・氷点下ではバナナで釘が打てる、バラは粉々になる。モービルF1(ガソリン)は氷点下でも凍らない
F1の番組で必ず流れたこのCM、めちゃくちゃインパクトがありました(笑)。忘れられません。

こんな感じで、私はスーパーカーにもカーレースにも全く興味がなく、全然わからなかったのですが、その状態で見てもこのアニメは面白かったです。
いろいろムチャクチャでツッコミどころだらけだけど、それをオールOKにしてしまう70年代の溢れるパワーと勢いと演出。結局全て受け入れてしまいます。
前半は主人公・轟鷹也がレーサーになるまでの紆余曲折、そして後半は正式に会社専属のレーサーになった鷹也がいろんな大会に挑戦する姿が描かれています。このアニメは節目がわかりやすくて、 
レーサーを目指す→イザベルとの恋→大日向の死→父の死→パットとの出会い→ハンスとの出会い→ハンスの死→優勝(最終回)という感じで、これが大まかな流れになっています。
当時の他のアニメに比べるとかなり内容も大人っぽく、小学校高学年以上でないとあまり理解できないんじゃないかと思いましたが、どうだったんでしょう?私は、ナレーションで車の名前やその仕組み、レースの内容について事細かく早口でまくし立てるのが「??????」でした(笑)。しかも「〇〇が、〇〇なのは君たちもよく知ってると思うけど・・」みたいに知ってるのを前提として説明してくるので、それが驚きでした。ブームの力ってすごいですね。


★良かったところ★

・主題歌がイイ
OPとEDどちらも素晴らしいです。
OPは、イントロの部分からカーレース感があるのがスゴイと思います。イントロに関してはこれだけに限らず、「マシンハヤブサ」とか「ルーベンカイザー」とかもそうなんですけど、ロボットアニメとはまた違う、どれもちゃんと車っぽさがあるんですよね。どういうのが車っぽいのかと聞かれても
どう説明すればいいのかわからないけど、作曲・編曲をする人のセンスは本当にスゴイとしか言いようがありません。あと♪的を狙えば外さない♪という出だしの歌詞もカッコよすぎ。普通初っ端からあの歌詞は思いつかないですよ。
あと、何といってもEDですよ。むしろOPよりも印象的なのはこっちかもしれません。インストが番組冒頭の「前回までのあらすじ振り返りシーン」で毎回流れていましたからね。映像も、夕陽の中を歩く鷹也の後ろ姿を描いたもので、それ以外の動きといえば、一度立ち止まった後ポケットに手を入れてまた歩き出す・・というだけなんですが、これがまた素晴らしくカッコいい!!歌詞といい、スキャットといいいろいろシブすぎる!!DVDにはノンクレジット版も収録されていましたが、なぜかクレジット入りの方がムードがあって(?)良かったです。

・BGMがイイ
「グランプリの鷹」名物の例のスキャット♪パヤパパ パヤパパ~♪♪ルルラー ルルラルラルララ~♪イイのと、いろんな国が舞台になるとその国のそれっぽい音楽がかかるのが良かったです。特にあのスキャットとあの雰囲気は70年代でないと出せない貴重なものだと思います。

・りんたろう度が高くてイイ
光と影、突然モノトーンになったり、イメージ映像(幼い頃の鷹也がオートレーサー姿の父にさらわれる)で心情を表すとか、鷹也が入院した病院にいた鳥かごの小鳥とか、初期の頃はそういう癖のある演出が凄くて味があって良かったです。ガソリンで顔を洗う鷹也や、父子入浴とか「六根清浄、六根清浄」もインパクト絶大で忘れられません。「なんかいつもと違うな、スゴイな」と思ってEDで確認したら、やっぱりりんたろうさんだったという感じでわかりやすすぎでした。そのりんたろうさんも中盤で抜けてしまったので、そういうアツい演出が見れなくなってしまったのが残念でした。

・キャラデザがイイ
鷹也のデザインは、当時の東映主人公のいかにもな雰囲気すず子さんのデザインは、ちょっと「魔女っ子メグちゃん」な雰囲気で華やかでイイ。面白いのが、いかにもアニメチックなデザインなのがこの二人と半五郎くらいで、他はほとんどがリアル調なデザインだったところです。大日向もまあまあアニメっぽいけど、後半のライバル・ハンスは地味すぎて、もう少しアニメっぽい感じでもよかったんじゃないかなぁと思いました。とは、リアル外国人とジジイのオンパレード。渋すぎでした。
あと、これを忘れてはいけません。イザベルのデザインは素晴らしかったです。崩壊気味の作画の中、イザベルがメインの回だけは渾身の作画でした。いかにあの話が描きたかったか、制作側の思いが伝わってくるようでした。

・鷹也のキャラが面白い
鷹也は基本的に常識が通用しない男。ああいう主人公は今の時代ではもう描けないんじゃないでしょうか?
ニックが持ってきた高級スーパーカーを「鍵が刺さったままだから」と勝手に車に乗り込んで、事故ってぶっ壊したり(すず子さんも共犯だったけど・・)、その弁償代を稼ぐためのバイト中に公道で挑発にのせられてしまい、スピード違反で事故って罰金を払わされる、自分の車の改造案のヒントにしようと飛行機の操縦室に入ろうとしてハイジャックと間違えられそうになったり、工事中で立ち入り禁止のコースに勝手に侵入(ハンスが先だったけど・・)して、その中で勝手にレースをしてしまう等、自分にとって必要だと思ったことややりたいと思った時は、違反行為・危険行為何のためらいもなくやってしまうヤバい奴でした仕事でも上司だろうが社長だろうがアポなし直撃・突撃が当たり前。でも、女性や子供には優しかったり、筋が通っていないことは許せない、そして自分が悪いと気づいたらたとえ人前でも土下座して謝ってしまうという、潔い人物でもありました。あと、自立心はスゴくて、破天荒なわりにはいろいろちゃんとしていて、すず子さんはそこに大きく惹かれていたようでした。

・すず子さんがイイ
すず子さんは、このアニメのヒロインで公私共に鷹也のパートナーです。鷹也のことが好きで、いつも鷹也のことを考えて叱咤激励しつつ見守っているのに、鷹也はそんなすず子さんの気持ちを知ってか知らずか、キープしつつ他の外国人の女性と仲良くしたりしてしまいます。でもきっと鷹也にはキープしているという気は一切なくて、いつもその時思ったことを即発言し、思い立ったと同時に即行動タイプなので、そこに女の子がいて今仲良くしたいと思ったら何も考えずに衝動的に行ってしまうだけなのかもしれません。すず子さんは気が強くて普段は鷹也も頭が上がらないほどなのに、そういう時の複雑な気持ちはいつも隠していて、ある意味すず子さんの片想いな感じなのが逆にすごく良かったです。そんなすず子さんの素晴らしさが堪能できるのは19話で、すず子さんの目線で鷹也への思いが視聴者に伝わる・・あの話は良かったなぁ~。

・最終回でやっと報われて良かった
鷹也のすず子さんの扱いにはずっとモヤモヤしていましたが、最終回でやっとスッキリしました。優勝したという結果よりもこっちの方が印象的だったほどです(笑)。その優勝も、レース中にそれまでの出来事を振り返る回想シーンがメインになっていたので、それであまり印象に残らなかったのかもしれません。
できればキスシーンはもっとはっきり描いて欲しかったけど、当時の男子向けアニメではこれが限界だったんでしょうか。それにしても、テレビ中継中にリアルタイムで世界中に「恋人宣言(公開プロポーズ?)」とは、鷹也は相変わらず最後まで大胆でした。
鷹也はこれまでに何度かすず子さんに「キスしてくれ」と言っておきながら、すず子さんが本気になると「冗談だよ」というやりとりを何度かしていたけど、そのキスをこの回までずっと残しておいて、ちゃんと回収されたのがまた良かったです。
回収といえば、鷹也の父がアフリカで鷹也に教えようとした「人間は自然に勝つことができない。自然にいだかれろ」ということも、最後のレースの夕陽の件で回収されていて、それもスゴイと思いました。

★気になったところ★

作画が雑
これは残念でずーーっと気になってました・・。良かったのは1話と無理やりレースに出る許可を得るために雪山を走った話と、イザベルが死んだ回、あとはアフリカのラリーの後半くらいでは?あのあたりは当初から「見せ場」として設定してあったはずだし、気合が入ってたんでしょうね。後半はほとんどイマイチで、全体的にもっと丁寧に描いてほしかった・・。神作画回以外はほぼ崩壊というパターンでした・・。せっかくの最終回も微妙だったし・・。

・大日向の仲間たちがムカつく
大日向自体はとてもフェアな人物でわりと心も広く、鷹也とも絶妙な距離感で上手くやっていたのですが、その仲間というか取り巻きみたいな奴等が、大日向の目に付かないようなところで嫌がらせをしようとしたり嫌味を言ってきたりで見ていて大変イライラしました(笑)。初期のラリーでは鷹也達を騙してラリーの途中で魚釣りさせて魚を食わせたり、ルートを間違えさせたり・・腹立つやら笑えるやらでしたが・・。名前も「スッポン」とか「ウルフ」とか適当なあだ名で本名は不明、どれが誰なのか最後まで覚えられなかったし。まぁ、逆の立場だったら突然現れた「成り上がり」で、なぜか大人たちからチヤホヤされる鷹也は気に入らないと思われて当たり前なんですけどね。あの気の強さと生意気さ、何事にも動じない感じもムカつくのかも。大日向亡き後、いつの間にか全員消えていてその後は最後まで登場することはありませんでした。このメンバー達との関係はなんだかスッキリしなかったので、大日向が生きているうちに少しづつ打ち解けるような雰囲気にして、死んだ後は鷹也を応援するような感じであれば良かったのにと思いました。

・鷹也に同性の仲間がいないのが寂しい
正式に仲間と言える人物といえば、最初から最後まで、すず子と半五郎とオッサン達しかいなかった。戸倉と千田は初期からずっと鷹也の車のメンテナンスをしていたにも関わらず、距離はあまり縮まらず最後まで微妙。大日向からは意図的に距離を取られてたし、取り巻きとは犬猿の仲。仲良くなれたのはあえて言えばハンスくらいですね。ハンスはとってもいい奴だったので死なせないで欲しかったです。あと、変なチームに入るのもやめてほしかった・・。関係ないけど、そのチームのトップの声がたてかべ和也さんだったのはものすごく意外でした。

・鷹也の本質が成長しなかった
鷹也は最初からずっと問題児だったけど、最後の最後まで油断したり自惚れていたりして、そのあたりの成長があまりみられなかったのがちょっと残念でした。最後までパットのケツを追い回していた(言い方は悪いけど、これが「自分のせいでパットをレーサーの世界に巻き込んでしまったからその責任を感じて心配していただけ」なのか「パットにデレデレしている」のかがわからなかったので、それが見ていてモヤモヤしました。きっと両方なんだろうな・・。)のもすず子さんが可哀想だったし。まさかパットとの関係を最終回直前まで引き摺るとは思いませんでした。鷹也は最終的にすず子さんを選んでいましたが、あれをリアルタイムで見せつけられたパットはテレビの前でどう思っていたんでしょうか。

・イザベルとの交流が無理ありすぎ
イザベルが鷹也にあんなに好意を持って食いついてきたのか意味がわかりませんでした。イザベルは母親が日本人なこともあって元々日本に憧れがあり、鷹也に近づいたのも日本人だからという理由だけとしか思えないんですよね・・。イザベルの父親も、鷹也との交際を反対したかと思えば、いつの間にか自分の会社を譲ろうとするほど気に入って結婚させようとしていたりして、鷹也はこのお騒がせ親子の暴走に巻き込まれたとしか思えませんでした。
イザベルの元カレの弟も兄の死を勝手に鷹也のせいにして、逆恨みしまく迷惑この上ない奴だったし。兄思いなことだけは評価できるけど。
それだけいろいろ描かれていたにも関わらず、イザベルが死んだのと鷹也の母が死んだ理由が同じなのに、鷹也が母の死の真相を知った時は全くイザベルのことに言及しなかったのもなんだか不自然で、このあたりはもう少し絡めて描いてほしかったと思いました。

・日本語が公用語すぎる
鷹也に絡む外国人はどんな人物であろうとも日本語が堪能という謎設定(笑)。その割には言葉が伝わらなかったために、鷹也がスキャンダルにさらされて、ブーイングでレースをリタイアせざるを得なかったというエピソードがあったりもして統一感がありませんでした。いっそのこと、言葉が通じるとか通じないとかはナシにすれば良かったのに。他のアニメだと異星人でも日本語が通用するんだし。
ニックとパットは最初日本語がたどたどしかったのに、いつの間にか流暢になっていたのが面白いです。一体どのタイミングだったんでしょうね?「あれ?いつの間にか普通にしゃべってるよ?!」という感じでした。グラデーションが上手すぎです(笑)。

・鷹也が外国人女性にモテすぎる
前半はイザベル、後半はパット。しかも、両方ともあちらからの熱烈アプロ―チ鷹也は、同世代の同性との友情には恵まれなかったけど、女性には一切不自由していませんでした。そのモテっぷりを僻まれて命を狙われたこともあったほどで、さすがに「それはないだろう」と思いましたよ(笑)。

・鷹也がおじさん達にモテすぎる
同世代の若い友人や仲間がいなかった代わりに、鷹也を取り囲むのはいつもオッサン達でした。
ここからは鷹也の虜になったオッサン達を紹介したいと思います。

鷹也の叔父
両親がいなくなった鷹也を育てた人。母方の叔父。魚屋さん。江戸っ子っぽいイイ人。鷹也がレーサーになるのを反対していたけど、最終回で優勝した鷹也を見て喜んだ。

ニックラムダ
みんなが知っている有名なすごいレーサー。鷹也にレーサーの素質を見出し、強引に口説いた鷹也の追っかけ(?)最終回付近で鷹也とホテルで同室に寝るほど仲良しになった。この人に限らず、鷹也と一緒にレースに参加した最強オッサンレーサー達はみんな鷹也にメロメロに。

佐々木チーフ
鷹也の上司。初期の頃はクソ真面目で事務的だったのに、いつの間にか飛行機での移動の時も隣の座席に座ったり、「鷹也」と名前で呼ぶくらい仲良しになった。

香取社長
鷹也の属する「香取モータース」の社長。娘の婚約者だった大日向の存在をいつの間にか忘れ、いつの間にか鷹也のとりこに。鷹也の父とはライバルでレーサー仲間だったそうで、鷹也に対する思い入れが強い。そんな事がいろいろわかっていくにつれて大日向の存在がよくわからなくなってきた。

大坪カメラマン
最初はうさん臭かったけど、途中から鷹也専属(?)のカメラマンのようになってしまった。いろんな情報を鷹也やチームに教えてくれる、イイ人。

大日向頭取
鷹也の初期ライバルだった大日向の父親。香取チームがF0レースに出るための資金を出してくれた銀行の社長。息子の夢を鷹也に託して応援。

井村さん
香取社長と鷹也の父の若い頃のレーサー仲間。中盤以降は彼が鷹也の父代わり。個人的には本当の父よりもこちらとの関係の方がほのぼのとしていて好きだった。本物の親子よりも、このくらいの距離感の方がちょうどいいのかもしれない。でも、元はといえば殺し屋として雇われていた人物で、鷹也を殺そうとして近づいた実はヤバい人。後半が良くなりすぎて忘れそうになるけど・・。

車大作(轟鷹次)
鷹也の父。偽名を使って息子に近づき、他人を装って鷹也を指導した。鷹也とは誤解されたまま別れてしまったけど、手紙で謝罪。鷹也との関係ががまどろっこしくてじれったくて、親子だということがわかった時にストレートにいろいろ話してしまえば誤解されずに済んだのにと思ってしまう。昭和の父子はこういうのばっかり。最後、セーターとニット帽という軽装で山に登って死んでいたけど、あれは自殺と思っていいんだろうか??死んだ父の遺体を発見して、そのまま山に埋めて帰ってきた鷹也だけど、実際のところあの行為はどうなんだろう・・??死体遺棄とかにはならないんだろうか?いろいろすごい展開だったなぁ。

最初のラリーの時、そもそもお金がなくて車もないのにいろいろお膳立てしてもらった上、慣れない鷹也を空からヘリで見守るニック。地上では車大作(父)がバイクで追跡して密かに援護。これはちょっと笑ってしまいました。どれだけ「あしながおじさん」がいるんだよ?と。。(笑)。あと、最終回もすごくて、井村さんが鷹也の優勝パレードに仲間達(全て父の仲間なので、みんなオッサン)を多数連れてきてバイクで先導。ニックも車で先導、香取社長もバイクに乗ってその列に加わるという地味なサプライズ。オッサン軍団が勢揃いで鷹也とすず子さんを囲んで祝福。こんな感じで、最初から最後まで全てみんなオッサンでした。

・死んだ人を忘れすぎる
死んだ後も存在感があったのは鷹也の父くらいで、大日向ですらほとんど回想されず(梨恵さんも大日向父すらも後半は「鷹也鷹也」ばっかりだった・・)、イザベルについては完全に忘れ去られている感じでした大日向はハンスに更新され、イザベルはパットに更新されていました。



今回思い切って全話通して見たおかげで、何度も最後まで見ようとして途中で挫折してしまった理由がわかりました。今まで見慣れていたロボットアニメやヒーロー物の主人公は、敵と戦って毎回勝っています。この手の番組の主人公たちが負けるということ=「死ぬ」 ということなので、負けた場合はその時点で物語が終わってしまいます。なので、毎回勝つのが当たり前でした。
その点、カーレース物やスポーツ物もそうですが、1位や優勝しない限り「勝ち」にはなりません。このアニメでは優勝することはかなりまれで、それどころか納得いかない理由でリタイアしてしまうという事態も何回もありました。私が視聴を止めていた10話前後といえば、鷹也が慣れないレースにくすぶっている時期で、そういうシーンを見てちょっとストレスを感じてモヤモヤすることが多かったので、なかなか長続きしなかったのだと思います。
正式にレーサーになってからは随分見やすくなりましたが、それでも鷹也は結構苦戦していたと思います。当初はお父さんの死のあたりで終わる予定だったそうですので、後半は悪く言えば付け足し。それまでの話に比べていろいろ熱量やパワーがダウンしたような気はしますが、安心して落ち着いて見ることができたので私としては後半の方が好きです。多分少数派だと思いますが・・。
あとは、やっぱり仲間とか友情とかそういう他のアニメによくあるシーンがあまり見れなかったので、そこはちょっと寂しかったかなと思いました。ブーイングを受けた鷹也に合わせて出場者みんなでリタイアしたとか、パットが怪我をした後、そのお見舞いに行った時にパットに気を使って、鷹也が優勝した風に全員で話を合わせたとか、そういう部分で友情っぽい物は描かれていましたが、もうちょっとヒーロー物っぽいわかりやすい描写が欲しかったと思います。
なんとなくレーサー物って、他のジャンルに比べて難しいんだなということもよくわかりました。
あと、企画の段階では「グランプリの鷹」は女性を主人公にする案があったようですが、普通に男性が主人公で良かったと思います。女性が主人公になると、やっぱり「女の子向け」になってしまうと思うし、その場合、果たしてグッズや車のおもちゃが売れるのかどうか・・。令和の今でもまだちょっと難しいのではと思います。子供向けの商品販売をしなくて良ければ、アニメファン世代は見ると思うし、いいと思うんですけどね~。
「グランプリの鷹」では、その女性主人公にしたかったという思いをすず子さんやパットに託したのかな・・と思います。それにしても、パットがレーサーになったきっかけである「プロスキーヤーはカーレーサーに向いている(逆も然り)」という説は本当なんでしょうか・・?

 

2023年3月5日 記