1975年に放送されていた「勇者ライディーン」です。
「ライディーン」と聞いて、YMOが浮かぶかこれが浮かぶか「超者」が浮かぶかで年齢と趣味がわかると思います。私はちなみに全部同時に浮かぶので「どれ?どのライディーン?」と聞いてしまいます。あと、「アムロ」もいろいろありますね。
このアニメは、こちらでレビューしている「コンバトラーV」と同じく、20年以上前の学生時代に一度全話視聴チャレンジをして、途中から早送りで済ませたかリタイアしたかで、どちらにしろあまり集中して見ることなく済ませていたものでした。これも当時住んでいたアパートの近所のレンタルビデオ店に全話分おいてあったんですよ。あのショップは本当に昭和アニメヲタにとって恵まれた店でした。大学に入学した頃は近くに大きなレンタルショップが2軒もあって、在学中は毎日のように通い詰めていましたが、卒業する頃には片方の店が閉店してしまいました。その後、もう一軒がどうなったかわかりませんが、2010年以降、ゲオやツタヤみたいな大きめのチェーン店を除けば本当にレンタルショップってなくなりましたね。
そんなことはどうでもいいとして、当時ライディーンを集中して見なかった理由は、コンバトラーVと同じく、イマイチハマれなかったからです。なにしろ、戦いのシーンが長い!!本編の8割以上戦ってたんじゃないでしょうか?それでも、コンバトラーはじっくり見直してみると「あれ?意外と面白いかも?ドラマもちゃんとしてるかも・・」と感じて楽しく見ることができました。何だかんだで長浜監督のロマンロボットアニメシリーズはこれを除いて全て制覇したことだし、もう一度腰を据えてじっくり見てみるか~と思い、再チャレンジしてみることにしました。
それで、今度は早送りも何もせずに全話ちゃんと見てみましたが、ライディーンはじっくり見直してみても「やっぱり戦い長げぇ!!!」と感じました(笑)。戦いのシーンももちろん大事だと思うし、いくらドラマがしっかりしていてもゴッドマーズの時みたいに2分くらいで終わってしまうのもあまりにあっけないと思いました。なので、しっかりしたドラマ+戦いシーンは10分くらいなのが一番ちょうどいいかな、と・・。ライディーンに関してはドラマ部分が5分あるかないかで、あとは全部戦いのような気がしましたよ。ドラマはどうでも良い、ロボットプロレスがあれば充分だという子供ならそれでいいのかもしれませんが、アニメファンとしてはやっぱりもう少しドラマも欲しいところ・・。特に、ライディーンは前半を富野監督、後半を長浜監督が担当しているというところもポイントで、アニメファンにかなり評価の高いアニメですよね。70年代後半のアニメ雑誌黎明期の頃にもよく特集が組まれていたし、ロマンアルバムも発売されていました。女性ファンも多かったようですが、正直、みんなこれで満足してたのか?と少し不思議に思いました。こればかりは好みの問題なので何とも言えませんが・・。そんな訳で個人的にはなんだかなぁという感想だったのですが、語っていきたいと思います。
★良かったところ★
キャラデザがイイ
今更こんなところで語るほどのことではないほど有名ですが、キャラクターデザインはあの安彦良和さんでした。だからイイに決まってますよね。70年代後半から80年代にかけての安彦さんの絵柄は本当にイイ。デザイン表のきっちりした絵もいいけど、ポスターやアニメ誌の表紙で書き下ろされたような水彩画っぽいイラストもめちゃくちゃ好きでした。洸はデザイン的にはカミーユとかアリオンとかに近い感じの美少年よりのルックスでこのあたりが女子にも人気だったんでしょうね。神宮寺や明日香麗のキャラもすごくいいと思ったのに、途中からどんどん影が薄くなってとても残念でした。このことについては下の方で語りたいと思います。
プリンスシャーキンは、今後主流になってくるイケメン悪の第一号になるんでしょうか。それまでは敵といえば怪物(怪人)みたいなキャラばかりで、このあたりも画期的だったんだろうなと思います。
ライディーンのデザインがイイ
このあたりの評判も、語り尽くされたくらい定番ですよね。鳥型に変形するのも本当にイイ。私も、カプセル超合金のライディーンを持っていますよ。なぜかブラックバージョンも。当時発売された本家・超合金が約50年前(!)、カプセル版も発売されてかれこれ20年近く経つ商品ですよね。小さくてもちゃんと変形できて、あれは本当にクオリティが高くて良かった。カプセルと言わず、もう二回りくらい大きくして同じような商品が発売されないかなぁ・・。
歌と叫びがイイ
洸といえば神谷明さん。洸とライディーンは度々同調したりするので洸がライディーンを操作した時に出た声なのか、ライディーンが自ら出した声なのか、そのあたりが区別がつかない時が度々ありました。ライディーンの「ラ~~イ!」は当時の子供がめちゃくちゃ真似していそう。「はやく宿題しなさいよ!」「ラ~~イ!」みたいな(笑)。「ゴォォットゴォォォガン!!!」「ラ~~イ!!」後半はそれに「かあさーーーーん!!」がプラスされて、とりあえず洸はシリーズ通して叫びまくり。神谷さんの喉は収録後ガラガラだったんじゃないでしょうか??
あと、ライディーンといえばあの主題歌ですよね。歌詞は応援歌で曲はマーチみたいな感じで、東映のロボットアニメとはまた違った雰囲気でした。♪たちまち溢れる神秘の力~♪のところの異常な盛り上がりが好きです(笑)。「クレヨンしんちゃん」の主題歌が一時期あの曲のパロディみたいな曲だった時期があったのを思い出します。それももう20年以上前でしょうか。時の流れを感じます。エンディングの止め絵もすごく好きです。あれ、せっかくのイラストなのにスタッフのクレジットで隠れてしまってよく見えないんですよね(^^;) それがちょっと残念でした。
あと、本編で戦いのシーンに流れる挿入歌がめちゃくちゃ気合入りすぎていて、集中できない時がありました(笑)。「戦え!ライディーン」というタイトルのやつです。血管ブチ切れそうな子門真人さんの叫びが凄すぎ。あそこまで応援されればライディーンもやる気が出るでしょうね。挿入歌で言えば「神と悪魔」の方がいいです。あれはマジンガーでいうところの「Zのテーマ」みたいな感じで落ち着いて聴けます。
ライディーンが鉄・機械っぽくないところがイイ
これも、今までのロボットと違うところでライディーンの大きな特徴ですね。機械といえば機械だけど、ちょっと自分の意志を持っているというか。もっと後の作品だとゴッドマーズがそれに近いのかなと思います。改造しようとしても排除してしまう、ということで猿丸大先生が悩んでいたシーンを思い出します。
★気になったところ★
ドラマ部分が少なすぎる
ここが一番気になったところでした。唯一物語が動いたと感じたのは1話で洸が力と使命に目覚めた回、中盤でお父さんを助けてお母さんの秘密がわかった回、終盤45~50話。あとはレッド団のドタバタが序盤にあって、それに洸&マリが「なにやってんだよ」みたいなツッコミを入れる。そのくだりも時間そこそこで、かなりすぐに敵が攻めてきてライディーンとの戦闘開始。あとはずーーーっと戦いのシーンが続いて、戦いが終わった後はかなり短いオチがあった後(ない時もある)番組終了・・というのがほとんどでした。「ありがとう、ライディーン!!」でハイ終わり~みたいなのも多かったな。
番組の流れ的には、同時期の他のロボットアニメも大体同じなので、「流れ」に関しては別に違和感を感じることがなかったのですが、それにしてももっとドラマ部分が心に残る回があってもいいのにな、とそれが一番残念でした。印象に残ってるのは洸とマリが協力して敵を倒す回、あと、洸が完全に一旦死んでるじゃんと思えた回(27話?)あれはちょっと衝撃的でした(笑)。
ライディーンにはレッド団以外にも洸のお父さん、おじいさんがいて、マリのお父さん、神宮寺に麗・・キャラがたくさん揃っていたのに、そのキャラの内面掘り回もほとんどなく、もったいないと思いました。マリとそのお父さんの話とかもあってよさそうなものなのに。なんであの二人は親子なのに苗字が違うんだ??なぜか荒磯のお母さんとか猿丸大先生の両親の回はありましたね・・・(笑)。特に荒磯の母ちゃんはセミレギュラー並みに何度も出ていたような・・。あと、チビッコキャラでメインなのは「こっぺ」なのかと思っていたら、途中から無駄に「あっちゃん」が登場して、そこからはあっちゃんメインに。あれも不思議な追加キャラだったけど、そんなに続かずいつの間にか空気に。いろいろ変更点が多かったところをみると、なかなか路線が定まらなかったのかな・・とも思えました。
明日香麗が突然いなくなった
これももう、残念すぎなんですけど(苦笑)。麗はメインのヒロイン、マリよりも大人っぽくて落ち着いていて、コープランダー隊で戦う戦士というのが良くて、同僚の神宮寺への毅然とした態度といい、見た目共々お気に入りのキャラだったのに中盤から突然出てこなくなったのが意味がわかりませんでした。洸にとってのヒロインはマリ、それに対比させた戦うヒロインということで麗を出したものの、両方のキャラを消化する余裕がなくなってフェードアウトさせたということなんでしょうか??それなら、せめて「親が病気で実家に帰らなければならなくなった」とか「瀕死の重傷を負って戦うことができなくなった」とか何か出なくなったはっきりとした理由が欲しかったところ。突然出なくなって、「まさかこれは最初からいなかった事にする作戦?」と思っていたら、後半で「洸のお母さんが見つかった」というところでしれっと再登場して、実は洸のおじいさん、お父さんと一緒にお母さんの行方を調査していたというオチでした。これには「なんだ、ちゃんといたんじゃん。存在をなかったことにされた訳じゃなかったのね~」と驚いたと共にちょっと安心もしました。でも、再登場もこれくらいで、その後また消えてしまいました。でも、とりあえず元気にしているということだけはわかったので良かったと思うことにします(笑)。
桜野マリのキャラ変
上の続きみたいなものですが、マリは洸と同じ学校に通う同級生でガールフレンド。マリのお父さんは洸のお父さん・おじいさんがいる研究所・基地(ムートロン)で洸やコープランダー隊を指揮している所長なので、多分洸とマリは幼馴染。口喧嘩することはあっても二人はいつもラブラブ。そこへ、洸と同じサッカー部でライバル兼親友の荒磯ダンがいて、荒磯はマリのことが好きで「マリちゃ~~ん」とデレデレ。でもマリは洸が好きなので相手にもされていない・・という、当時ありがちな人間関係でした。で、初期のマリは本当にこの当時ならではの「じゃじゃ馬系ヒロイン」といった感じで、いつも「やぁ~だ~ 洸ったらぁ~」とキャーキャー騒ぎながらパンチラを披露するというリアクション&お色気担当でした。正反対のもう一人のヒロイン、麗とは洸を巡ってよく言い合いになったりしていたのですが、上記のとおり、麗は中盤の一番大事な時に突然姿を消してしまったため、マリは急にキャラ変をしなければいけなくなったのです。おまけに、今まで麗が所属していたコープランダー隊も神宮寺一人になってしまったので、突然メカの操縦を覚えたり戦闘に参加しなければならなくなったという、ちょっと気の毒なヒロインになってしまいました。でもそこは洸を思う力が勝ったのか、ほんの数話でちゃんと戦いに参加できるようになったのです。ここまでくると、以前のようにキャーキャー言ってるだけでは済まなくなり、マリはそれまでのキャラに麗の要素をプラスした、落ち着いたキャラに変更させられてしまいました。そのためか、声優さんまで途中で交代になってしまい、最初のキャラの方が良かったと思っていた私にとってはずっと違和感があって仕方ありませんでした。ちょっと抜けていておバカっぽいけど、実は洸に対する母性に溢れている・・という描かれ方をしていたので、いきなり途中から「もともと聡明だった」感を出されて、それがちょっといただけなかったというか・・。あの舌足らずな感じの話し方も可愛らしくて好きだったんですけどね。せめて声優さんだけでも元のままだったら良かったと思いました。
マリのパンチラが多すぎる
私は決してアニメや特撮の「お色気シーン」が嫌いなわけではなく、逆に子供の頃から楽しんで見ている方でした。パンチラ・シャワーシーン等、普通に見れたのは2000年代初頭くらいまででしょうか・・・。今の子供向けアニメでは絶対に描かれなくなってしまって、むしろ今の子供達が可哀想だと思ってしまうほどです。そんな私でもマリのパンチラに関してはちょっと多すぎだろうと興覚めしてしまいました(苦笑)。たまにしか見れないから貴重で尊いのであって、あんなに毎回描かれては逆セクハラ。「もういいから、ズボン履けよ」としか言いようがありません。でも、それも中盤でキャラ変させられると共にだんだん数を減らし、後半はほとんど描かれなくなりました。
ボインダーが役に立たなすぎる
ボインダーは荒磯ダン率いるレッド団(サッカーチームで、洸・荒磯以外のメンバーは全て小学校低学年くらいという謎チーム)が乗り込む、ガラクタの寄せ集めで作ったポンコツロボットで、マジンガーでいう「ボスボロット」です。こういう主人公ロボに対抗したポンコツロボットは結構いろんなシリーズに登場していて、鋼鉄ジーグ、コンバトラーV、アルベガスにも出てきました。全てに共通するところは、廃材からできているというところで、普段は主人公の邪魔をしつつも、たまに大ホームランな活躍をするため、各研究所の所長もそう無下に扱えないという、そんなところが魅力だったりしました。でも、このボインダーに関しては、マジで邪魔(苦笑)。あまりに足手まといになるため、東山所長(マリの父ちゃん)がもう絶対に出てくるなと大激怒。落ち込んでいるところを洸達や神宮寺までが協力してボインダーを再建してくれて、結果「意外と役に経つじゃん」みたいなことを実証する回がありました。でも、それはその回だけであとはいつものパターン。しかも、物語が佳境に向かうと共にほとんど出番がなくなり、最後はレッド団共々空気状態に・・。でも、ボインダーって名前、イイですね。胸にボクシングのグローブが二つ付いていてそれが「ボイン」ぽいからですね。くだらなくてとてもイイ!!
博士が二人もいるのにイマイチ使えない
洸がいる基地(ムートロン)では、普段の戦いは東山所長が指揮しています。でも、ここにはもともと洸のおじいちゃんと、途中まで敵に石にされていたお父さんがいました。ちょっと驚いたのが、麗がいなくなったのと時期を同じくして、このひびき親子も姿を消してしまったのです。最初はそのことに気づかず、そのうちに「あれ?そういえばおじいちゃんとお父さん、最近出てこない気がする」と思うようになりました。それからは「今回は出てくるかな?」と薄っすらと気にしながら見ていましたが、結局出てきませんでした。私は「マジかよ、麗だけでなくお父さん・おじいちゃんまでなかったことにするのか?」と思っていたら終盤の頃になって「実はお母さんのことについて調査に行っていた」ということで、麗と一緒に登場してすごく安心しました(笑)。出てこなくなるのは別にいいとしても、いなくなる前の回でお父さんが洸に「私たちと麗さんはお母さんのことを調べに行ってくるから、しばらくこの基地を留守にするから」というやりとりがあれば良かったのに・・と今更ながら思いました。(それとも、もしかしてあった?私が気づかなかっただけ??)
この洸のおじいさんは最初の頃は息子(洸の父)が行方不明になっていたこともあり、戦いに自信を無くす洸を励ましたりと存在感がありましたが、後半はラ・ム―に関する石板が見つかったということでテンションが爆上がりしていた姿しか印象にありません。洸の父にしても、戦いは全て息子と妻に任せて自分は説教したりオロオロしたりするだけでなんだかなぁという感じでした。あの父ちゃん、よりによって異世界から来た女性と結婚して洸をもうけるという大胆なことをやらかした張本人なのに・・。そういえば、お父さんがなぜお母さん(レムリア姫)と出会ったのかとか、そのあたりも何も語られてなかったなぁ・・。ボルテスだとそのあたりもちゃんと語られていて説得力があったのに・・。
せっかくのプリンスシャーキンが前半で死ぬ
前半の敵がイケメン青年で、後半が怪人兄弟というのはコンバトラーと似ていると思いました。コンバトラーではガルーダがあまり子供に人気がなかったからとかいろいろ理由があったようですが、シャーキンも同じような感じなんでしょうか。そんなにチビッコはイケメンの敵が嫌いなんでしょうか。シャーキンは女性ファンが多かったようですが、その気持ちもイマイチわからない・・。ただ小奇麗だというだけで、視聴者が見て同情できるエピソードもなかったし、キャラを深堀したような話もなかったですよね。ガルーダが好きだというのはなんとなくわかるけど。
シャーキンといえば、前半で洸の学校に忍び込んでサッカー対決する話が合ったけど、もう少しカッコいい姿にすれば良かったのにと思いました。
神宮寺の影が薄くなった
神宮寺ももったいないキャラだったと思います。最初はいけ好かない奴だったけど本当はいい奴で、だんだん馴染んで欠かせないメンバーになるっていうのは、この手の番組の醍醐味で、途中まで神宮寺も活躍と出番が多かったと思います。洸との友情も良かったけど、荒磯やこっぺとも仲良くなっていったあたりが好きでした。たまに「ミスター」と呼ばれているのもなんか良かった(笑)。それでもやっぱり後半で「神秘の力」が幅を利かせてくると徐々に存在感が薄くなってしまったのが残念でした。あと、最後の特攻は凄かったです。ネタバレしていたので知ってたんですが、それでもインパクトがありました。
こんな感じで、色々いろんな意味で「惜しい!」と思ったところが盛りだくさんでした。でも、だからこそ後のコンバトラー以降のロマンロボシリーズや、ザンボット以降のサンライズロボでどんどんドラマ性をアップさせていったんでしょうね。78年に発売されたロマンアルバムの復刻版を持っているのですが、それにファンの座談会みたいなのが載っていて、当時のファンの方も同じようなことに言及されていました。やっぱり色々当時も言いたいことがあったんだなと思いました。足りないところや願望はきっと脳内補完していたんだろうなぁ。
ライディーンが放送されていた昭和50年頃といえば、他のロボットアニメといえば「マジンガーZ」「ゲッターロボ」があって、あとは「鋼鉄ジーグ」、「グレートマジンガー」が「グレンダイザー」に変わる頃か・・。それまでのゴリゴリ油ギッシュなダイナミック作品に比べたら、ライディーンは神秘的でキャラが爽やかなのも良かったのかもしれませんね。今見てもキャラ表とか違和感なくカッコいいし。