1983年に放送されていた「未来警察ウラシマン」です。
久々にリアルタイムで視聴可能だった時期のアニメのレビューです(笑)。83年といえば、私は藤子アニメ(特にパーマン)に夢中な幼稚園児でした。このくらいになると私と同世代の方でも懐かしいと思う方は多いのでは?そういう私は残念ながら全然見たことがなかったんですけどね。でもタイトルは昔から知っていました。
というのも、このアニメにはちょっとしたエピソードがありまして、私が小3くらいの時「ケイブンシャのアニメ大百科」みたいな本を持っていました。それを叔母(アニメやマンガが好き)に見せながら「どのアニメを知っているか?」ということを話していたら、叔母がウラシマンが載っているページを見て「コレ知ってる!!面白かったよ」と言ったのです。私は全然見たことがなかったので「へぇ~」と思っただけなんですが、そのことがなぜかずっと忘れられませんでした。
そして、月日が流れて中学1年生になった頃、「キン肉マン」にハマったため、1983年に放送されていたアニメの主題歌がまとめて収録されているCDを購入しました。そこにウラシマンの主題歌と挿入歌(クロードの歌2曲だけ)が収録されていて、そのカッコよさに痺れました。
そして、それからまた月日が流れ、今度は高校3年生になった頃、当時の「衛星放送(BS)」でなぜかウラシマンが再放送されていました。確か「衛星アニメ劇場」というタイトルの枠で、主に70年代~80年代のアニメが放送されていて、当時はLDが普及しだした時期だからか、アニメの再放送が少なくなってきていたのでとても貴重だったのを思い出します。番組の最初と最後に「おねえさん」みたいな人が出てきて、内容を解説したり視聴者のイラストを紹介したりするコーナーがあったりして、とても丁寧な番組だったのです。その再放送に気づいたのがだいぶ後だったので、放送自体はほとんど見れなかったのですが、最終回だけ録画することに成功し、長年「他は全然見たことないのに、最終回だけ知っている」という状態が続いていました。あのOPのカッコよさと絵柄のオシャレさに惹かれ、ずっと「最初から見てみたい!」と思い続け、2000年以降にブルーレイを購入。
少しづつ近づいて、やっと見れる状況になったというのにいつものパターンで、いざ手に入ってしまうと「いつでも見れるから」と放置。購入後10年近く経った最近になって、やっと全話見ることができました(笑)。
そんな訳で、前置きが長くなりましたがレビューをしたいと思います。
★良かったところ★
・OPとEDがオシャレ
特にOPの「ミッドナイト・サブマリン」が初めて聴いた時から大好きで、長い間ずっと「カッコいいなぁ~、オシャレだなぁ~」と思い続けていました。初めて聴いた時から30年以上、ずっと聴き続けてきた曲のひとつです。
カッコよくてオシャレ、それでいてちゃんとしたアニメソングなところがイイんですよね。80年代はタイアップ曲が増えるものの、こういう「アニメソングとして作られた歌だけど、大人でも普通に恥ずかしがらずに聴ける主題歌」が多かったと思います。90年代以降になると、正式なアニメソングよりもタイアップ曲の方が多くなって、そういう歌を聴くと「売る気満々で作られた曲で、元々子供向けでもないしそのアニメのために作られた曲でもないんだから、そりゃカッコよくてオシャレで当たり前だろうよ」と思えて、80年代に比べると好きな曲が激減していたのが懐かしいです(苦笑)。
話が逸れましたが、このOPでは♪不思議な青いビーム輝いて君の~♪のところと♪摩天楼飛び越えて 遥かな時間の国へと♪のところが特に好きです。歌詞としては2番の方がもっと好きなんですけどね。
映像がまたオシャレで、最初の「考える人」の像のところ、♪Wake up♪のところ、ルードビッヒやミレーヌのところ、あと♪摩天楼飛び越えて♪のところのぬるぬるした動き、全部カッコよくてオシャレでとても40年も前に作られた物とは思えません。
EDは「ドリーム・シティ・ネオ・トキオ」で、これまたオシャレでした。リュウ達が街へ繰り出すシーンでよく流れていて、あの街の風景、ネオンの感じにピッタリの曲だと思いました。どうでもいい話ですが、私はずっと西日本在住で、2018年に40歳を目前にして初めて東京に行ったのですが、その時浮かんだ曲が何をかくそうこの曲でした(笑)。あとは、沢田研二の「TOKIO」と井上陽水の「TOKYO」が頭に浮かびました。3曲ともとってもオシャレ!!田舎者の私からすれば、東京はまさにこの3曲の歌詞のとおり「奇跡という名のパラダイス」で「安らぎ知らない遊園地」で「夢と憧れ」でした。
・挿入歌もオシャレ
特に「クリスタル・ナイツ・ネクライム」は、敵側を称える歌にもかかわらず、かなりの頻度で流れていて印象的でした。ウラシマン側の「バトル・ウラシマン」はちょっとダサかったな(笑)。タイムボカンシリーズの曲っぽくて、「もしやあの方が作曲しているのでは?」と思って調べてみたら全然違っていました。でも、この曲だけ子供向けに振り切っているのは良かったと思います。マニア向けにしなかったところが素晴らしい!!あと、好きだったのはクロードの「Brother」「ハートウォーカー」と、最終回あたりで流れた「Maybe」で、特に「Brother」と「Maybe」は内容を知ってから聴くと歌詞が泣ける・・。「Maybe」は「キン肉マン」の「シーユーアゲイン ヒーロー」にちょっと似てると思ったけど。アレも好きな曲のひとつです。それにしても神谷明さんは歌が上手い!他の挿入歌は音楽集のアルバムの中に入ってるのに、クロードだけ別盤でシングルが出るのがわかる気がする。そのわりにはなぜかあまり作中で使われていなかったのが残念だったけど・・。
それから、BGMの中で「西村京太郎トラベルミステリー」のOPに似てるのがあって、それがすごく気になりました(笑)。やっぱり刑事とか警察とか探偵とかをイメージするとああいう感じになるんでしょうね。
・キャラデザがオシャレ
今あのままのデザインでやってもほとんど違和感ないと思います。コスチュームも全然古くないし、知らない人に見せたら40年も前の番組だとは思わないのでは?そのくらい洗練されたデザインだと思います。20年以上前に初めて映像を見た時の印象は「「幻魔大戦」(劇場版)みたいだ!」でした。大友さんのデザインも今見ても古さを感じませんね。
あと、人物が良かったのはもちろんのこと、リュウと一緒にタイムスリップしてきた猫・ミャーのデザインが可愛くてお気に入りでした。不思議な国のアリスのチェシャ猫系のデザインで、モフモフボサボサのブサ猫。めちゃくちゃ可愛くて癒しでした。
・作風がオシャレ
さすがにセリフ回しとかは時代を感じるのが結構あったけど、それを気にしなければ今地上波で流しても人気が出そうな気がします。
ギャグ回があれば、急にハードモードになったり、ミュージカル仕立てだったり映画のパロディだったり、いろいろバリエーションがあってとてもオシャレな雰囲気のアニメだったと思います。
1983年からやってきた主人公、リュウ。車にはタイヤがないとしっくり来ない、銃は弾が入っていた方がいい・・と、車やバイク、銃を自らアンティークなデザインに改造してしまいます。そんな設定もとても洒落てるなぁと思いました。
・フューラーの正体がわかるまでの展開が良い
ブルーレイを購入した後、毎日2話ずつ見続けていこうとチャレンジすること2回。2回とも10話近くでストップしてしまってその後が続きませんでした・・。実は今回が3回目の挑戦だったのですが、続かなかった理由がわかりました。10話まではわりと抑揚のない「通常回」が続くので、なんとなく退屈に感じて見なくなっていたんですね~。ウラシマンはメインキャラがとても少ない(なんと、味方側はリュウ・クロード・ソフィア・権藤警部のみ!)こともあって、目新しいキャラ紹介も数回で終わってしまうし、キャラが定着して番組の流れが軌道に乗るまでは地味な話が続くのは仕方がないことだとわかってるんですけどね。逆に序盤の話が面白いというか、自分のツボにハマったアニメには雪崩のごとく転落していくことが今までのパターンでわかりました・・。
そんな訳で、今回はどんなことがあっても見続けるぞ!と思って真剣に見たら、面白くなるのは10話以降でした。そこからフューラーとリュウの過去が明かされるあたりがピークで面白くなってきて、40話くらいまでぶっ通しで見てしまいました。基本的にコメディタッチな話が多いけど、意外にハードな話も多かったりして飽きませんでした。
・ルードビッヒが塩沢兼人すぎる
ルードビッヒと「ゴーショーグン」のブンドルはもう塩沢兼人さんがやるために作られたキャラのような気がします。もう実写でもいいくらい。そのくらいハマりすぎだし、どんな声で喋るのか、どんなキャラなのか見なくても想像ができるほどです(笑)。でも、私にとって塩沢兼人さんの声といえば「奇面組」の大君と「新ビックリマン」のべリー・オズが印象深いです。最初は「ブライガー」とかで主人公をやっていたということがかなり意外でした。普通の青年役もやるのか!と驚いたものです。
・マグナブラスターのおもちゃが欲しい
ウラシマンのおもちゃはバンダイから出ていて、「マグナビートル」(車)「マグナチョッパー」(バイク)の他に、「マグナブラスター」という銃のおもちゃが発売されていました。これが、赤外線センサーが付いていて、付属の反射板に向かって引き金を引くと「バキューン」という音とサイレンの音がなるという物でした。めちゃくちゃ欲しいんですけど!!80年代のおもちゃといえば、音が出る物は「ピピピピピ」程度の電子音が多かったのに、番組と同じ音が鳴る おもちゃがこの頃から既にあったとは、それだけでもビックリでした。デザインも、あまりオモチャっぽくないリアルな(シックな?)感じで、そこがまたイイと思います。
ちなみに、同じ時期に同じメーカーから発売されていた「パーマンバッジ」を持っているのですが(大人になってから入手したもの)、それはその時代相応のギミックで「ピピピピピ」と鳴って目玉の部分が光るというだけのものでした。マグナブラスターでこれができるんだったら、パーマンバッジもテレビと同じ「ピポパぺピ ピポパぺピ」という音が出るようにしてほしかったなぁと今更ながら思いました。
★気になったところ★
・たまにギャグシーンがしんどい
このアニメに限らず、80年代は何かとギャグが多いので、場合によってはいろいろしんどいんですよね(^^;)
ギャグそのものは面白くなかったとしても、まぁ「またやってるわ」程度で気にしなければいいんですが、問題は「今回は普通にシリアスに終わらせて欲しい」と思うエピソードでもオチでしょうもないズッコケ・ギャグシーンを入れて来たりして、ムードが台無しになって「この場合はギャグやる方が逆に白けるよ・・」と思うことが多々ありました・・。そういう時代だったと思えば仕方ないことなんですけど・・。
70年代のアニメにもギャグはそこそこあったのですが、70年代キャラはギャグもふざけるシーンも全力投球。別に面白くはないけど「ああ、和むなぁ」程度にとどめてあったのが今見ても温かみを感じて見やすくて好きです。80年代になると「そんなにマジな感じでやるなんてダサいぜ!気楽に行こうぜ、気楽によ♪」的な感情をひしひしと感じます。特に80年代初頭がその傾向が強くて、もちろん全部のアニメがそうだった訳ではなく、作風によるんですけどね。そこへいくと90年代以降は目立ってそういうこともなく、いろいろと落ち着いてるなぁと思います。
ソフィアの「ぶりっ子怪力刑事」という設定も「うわぁ~・・80年代だわぁ」という感じです。いうほどそんなにぶりっ子でもないし、ソフィアは普通にイイ子なので、嫌いというわけではないんですけど。でも、当時をリアルタイムで過ごしてこの時代のアニメで育った世代としては、良くも悪くもいろいろ80年代感満載で、当時のいろいろな感情を思い出しました。
それから、よくリュウはクロードに「ブサイク」だとか「ドングリ頭」とかバカにされたりしてるけど、私の目にはクロードよりリュウの方がイケメンに見えるんですけど、私だけでしょうか?レコードジャケットとか、アイキャッチとか、めちゃくちゃカッコよくありませんか??
・最終回が微妙
当時から賛否両論でしょうね・・。私はシリアスな感じで終わらせて欲しかったので、あの終わり方はちょっとだけ「逃げ」を感じて「あー・・こんな感じかぁ」と思いました。上記のとおり、最終回は訳が分からない状態のまま20年以上前に見ていたので、「リュウは元の世界には帰らない」ということは最初から知っていました。それで、なんとなく「終わり方はあまり期待はできないのかな・・」と薄っすら気づいていたので、そこまで残念には思わなかったんですが、もしネタバレしないままワクワクしながら感動の最終回を期待していたとしたら「え?・・これで終わり?」と思ったと思います。
一番不満だったのは、ルードビッヒ達が生きていたことです。ミレーヌがフューラーの娘だと分かって、父親の命令に逆らえずにルードビッヒを暗殺したところとかすごく良かったのに、あの衝撃が全て演技だったということで覆されて「なーんだ・・」とここで興覚め。撃たれたリュウが起き上がって、ギャグっぽくなってきたあたりから、もともとネクライムだのマグナポリスだのは存在しなくて、2050年もウソで実際は1983年。「ウラシマン」というSF映画の撮影をみんなでやっていました・・というオチなんじゃないか?とかも一瞬考えましたが、さすがにそういうオチじゃなくて安心しました。
クリィミーマミでそういう回があったんですよね。サスペンスぽい、ホラーっぽい、いつもと違う感じで話が進んでいって、オチが映画撮影で「近日公開」のポスターが出てきて終わる、というやつ・・。あれを思い出しました。クリィミーマミも83年だったけど、当時はああいうのが流行ったんでしょうか。
どんなラストだったら納得できたか、と考えてみたけど、私としてはやっぱり記憶を全て取り戻して1983年に戻って欲しかったかなと思います。少し寂しさを感じる方が最終回って感じがしますからね。リュウは普段はふざけたりおどけていることが多かったけど、自分の記憶がないことで苦悩したり、本当は寂しい思いをしている、というのが物語の軸にありました。その事情を知っているクロードやソフィアが、一緒にふざけあいながらもリュウを見守っている・・というのがステキなところだったのに、結局最後まで自分が誰だったのか?ということも思い出さず、83年問題をうやむやにしまったあたりはもったいないとしか言いようがありません。
83年に戻るとすれば、まずは全ての記憶を取り戻すことと、83年からリュウを迎えに来る人(ありがちだけど、83年に仲良くしていたガールフレンドとか)が要りますね。全て解決した後、2050年に残るか、家族や仲間が待つ1983年に戻るか、苦渋の選択をしてやっぱり元の時代に帰るという展開にしてほしかったです。その上で、あまり寂しい感じにしたくなければ、最後の最後でまた戻ってきて(空から降ってきてクロード達の下に落ちてくるとか)「自由に行き来できるようになったよ」という都合のいい展開も使える手だったのに、いろいろ残念だったと思います。
あと、やっぱりネクライムは根絶やしにして欲しかったですね。フューラーは一応滅びたことになっていたけど、他は「全部演技でした」で終了って、今までリュウ達がやってきたことって何なんだ?という感じですし、リュウもリュウで墓参りをしてしまうほどルードビッヒ達がいなくなったことを寂しがっていて・・。それも何だかなぁと思いましたよ。こんな感じならフューラーももしかしたらまだ生きてるのかもしれません。あの怪しい壺も結局最後まで割れていなかったし。そうなるとエンドレスになって、何の解決もしないまま終了したことになるので、いくら何でもそれは避けたいところ。
ルードビッヒ達は直接は誰も殺したり傷つけたりしていないかもしれないけど、権藤警部の娘はネクライムに殺されたんだし、ミレーヌがフューラーの娘だったということは事実なんですよね。それに対しての思いみたいなのは書かれていなくて、そのあたりは触れなくて良かったのかい?と思ってしまいました。
あと、ルードビッヒがなぜ最初からあんなに悪党なのか、そして、そのわりにはスティンガーズの皆さんみたいな部下達にあんなに信頼されているのも謎でした。ジダンダみたいな得体のしれない変な奴まで部下にして重宝しているところを見ると、ああ見えて結構お調子者なのかもしれません。
それから、私は中盤の「フューラーとリュウが同一人物説」のあたりの展開がすごく好きだったので、なんであれを最終対決まで取っておかなかったんだろうと思いました。過去の自分が悪党になった未来の自分を倒しに来るなんて、めちゃくちゃ燃える展開だったのにもったいなさすぎです(>_<) 「子供向けアニメなのに主人公が悪なんてダメ」ということだったら、最終回付近で「実は別人だよ」とわかる展開にすれば良かったのに、ああすれば、こうすればもっとドラマチックな話ができたのになぁ・・・とか、40年以上経った今になってもいろいろと考えさせられた最終回でした(笑)。
最終回がやっぱり一番心残りすぎて長々と語りましたが、それ以外はとても面白かったです。感動させられる回も結構多かったです。リュウ・クロード・ソフィアの友情を感じる回が好きですね。ゲームに挑戦する回とかロボット博士との交流とか、ミャーとの絆の話も良かったなぁ・・。
リュウがタイムスリップしたのは2050年ですが、あと27年でその年が訪れます。1983年から2050年は、随分遠い未来だけど、あれから既に40年経ってしまったのでもう随分近い未来になってきていますね。タイヤの付いていない浮く車や、透明チューブ状の通路の中を乗り物が通る時代に少しでも近づいているんでしょうか。「ジェッターマルス」が未来として設定した舞台が2015年だったと思うんですが、「いつの間にかもう過ぎてるし!」と衝撃でした。放送から45年くらい経つけど、当時想像していたようには発展してなくて、ああいうアニメに出てくるような未来的な乗り物やロボットなんてまだないんですよね。今も当時と変わらず車は「カローラ」とかが走ってますし(笑)。
そんな感じで、タイムスリップとか好きな方にはかなりおススメできます。最終回に気を付けて(?)いただければ、そこに至るまでにいろいろ謎が明かされていくのが面白くてイイですよ。
私の叔母にも「見たよ。面白かったよ」とここからメッセージを送っておきたいと思います(笑)。このサイトのことは教えてないけど。