1978年に放送されていた「闘将ダイモス」です。
「コンバトラーV」「ボルテスV」から続く、長浜監督の「ロマンロボットアニメシリーズ」の第三弾ですね。
噂ではこちらもかなり濃厚そうなので(笑)、内容がわからなくなったりボルテスと混同しないように「ボルテスV」のレビューを無事終わらせた後に見始めました。こっちの方にハマりすぎて、頭の中からボルテスが消えてしまう可能性もありましたし・・。私はある一つの物にハマると、その直前までハマっていた物が一気に飛んでしまうという、困った習性があるのです・・。
ちなみに、最初は10年以上前に東映チャンネルで放送された時に録画した物を見ていたのですが、かなり録画漏れがあったので、結局アマゾンプライムで視聴することに。
このアニメは、扱いとしてはボルテスと同じような感じで、同列で語られることが多かったと思います。創刊したばかりの頃のアニメ雑誌や、90年代以降に発売された研究本等でもよく語られていたので私もタイトルと主題歌だけは97年頃から知っていました。ボルテスはだいぶ前にネタバレした状態で見始めましたが、こちらはほぼネタバレなしでした。ボルテスのことが載っている本には必ずと言っていいほどダイモスも紹介されていたのに、よく今までネタバレしなかったなぁと我ながら感心します(笑)。そして、最近ボルテスにハマった後もいろいろ資料を読んでいたのですが、その時もダイモスに関するページは飛ばしたりして、絶対にネタバレしないよう徹底していました。おかげで全てを新鮮に見ることができて良かったです。
それで、全話見た感想ですが、評判通り面白かったです。ボルテスとはまた違った方向で凄かったし「よくこの内容で作ったなぁ」と感心しました。でも、私の好みとしてはやっぱり「ボルテスV」かなぁと思いました。それか、ダイモスの視聴途中で見始めた「ダルタニアス」の方が正直面白かった・・。これは好みの問題なので何とも言えませんが、ダイモスは自分にとってはちょっとシリアスすぎたのと、一矢とエリカの描写に置いてけぼりをくらった感があったというか・・。下で詳しく語ってますが、出会ってから二人がお互いを好きになる過程をもっと深く描いてほしかったと思うんですよね。
あと、自分が子供だったとしたら、これは絶対家族と一緒に見れない番組だ・・と思いました(笑)。個人的には、エッチな番組なら全然一緒に見ても平気なのですが、こういうのは照れくさくて恥ずかしくて・・。まぁ絶対に一緒に見ることはないので別にいいんですけどね。
とりあえず、いつものように「良かったところ」「気になったところ」を語りたいと思います。
★良かったところ★
・OPとEDが良い
OPは、♪もやせ もやせ♪の所の空手がカッコいい!!あと、♪いかる こころに ひをつけろ♪で入ってくる濃いリヒテルのアップ。あの2点でバッチリ心を掴まれました。ロボットと人物の配分が同じくらいなところがいいと思います。最後にみんなが走ってきて決めポーズするのも、王道アニメらしくてイイ!!
EDは、レコード版のイントロがすごく良くて好きだったのに、テレビ版では好きな部分がまるごと省略されていて残念でした。あのイントロがいかにも70年代ぽくて切なくてすごく良かったのに。あれを聴くと、78年ってまだこんな時代だったんだなぁと思わず目頭が熱くなります・・。これとか「ギンガイザー」のEDのイントロを聴いていると二度と戻らない昭和を思い出して切なくなります。
それにしてもこのED、中高生のお兄さん・お姉さんは感動しながら聴いていたかもしれませんが、当時の子供達は一体どう思っていたんでしょうか・・。あと、どうでもいいことだけど、声の出演のエリカのテロップがずっと「エーリカ」だったのがすごく気になりました・・。
・キャラデザが良い
めちゃくちゃ良かったです。ボルテス以上に少女漫画度がアップしていて素晴らしかったです。今回も聖悠紀さんが原案ですが、ボルテスに比べたら随分それっぽさが残っていると思いました。主に主人公のデザインを変えられちゃうんですね(^^;) 作画もほとんどが安定していてよかったです。
一矢のイケメンぶりには驚きました。作画がいい回の一矢は目の保養でしたよ。あのヘルメット姿がまた良かった。ライディーンの洸君とかもそうだけど、ヘルメットをかぶった時に、目と目の間に長い前髪があるとカッコよさが増すんですよね。昨今のアニメキャラは昔と比べ物にならないくらい皆イケメンだけど、私の心は一つもときめかない。私のツボにハマるのはこの時代~80年代くらいまで。何が違うのか考えてみたら、多分、骨太な感じと泥臭さだと思う。少女漫画っぽさの中に泥臭さがあるのがイイのかもしれない・・。
それはどうでもいいとして、京四郎のデザインも逸品だと思いました。あの髪型、あのメガネ、あの目つき!!上手く言えないけど、いかにもあの時代の少女漫画っぽい少年マンガにいそうで、「うわ~こういうキャラ見たことあるわぁ~」と懐かしさを感じましたよ。
あと、ナナのデザインがすごく可愛くて良かったです。単独で少女アニメのヒロインになれそうな程でした。
あと、リヒテル・エリカ等のバーム星人側も良かった。バーム星の男性はみんなミニスカ生足のギリシャスタイルで、いろいろな楽しみを与えてくれたし、ゲストキャラも美形揃いでした。
・一矢のヘルメットがカッコ良かった
今まで見てきたロボットアニメのヘルメットでは一番だと思いました。「ヘルメットがカッコいい!」と思ったのは今回が初めてですよ(笑)。
ガンダムみたいなリアル系のになると、機能性重視ということがわかるのもあってデザイン的にあまり期待していないし、そもそもそんなに目立って変だと思うことも、カッコいいと思うこともありません。でも、この手のアニメだと「とにかく絵面的にカッコ良く」というのがメインになるので、作品によって様々なデザインがあり、見ている方もいろいろ期待してしまいます。マジンガーシリーズやゲッターロボの人達のヘルメットはみんな奇妙な形だったけど、かと言ってあまりシンプルにしすぎると、自転車に乗る時の中学生や、何らかの集金や配達をする人が被っているみたいな顎ベルト付きのヘルメットみたいになるし、あまり「宇宙・SF」ぽさを強調すると、昔の電器屋のキャラクター感が出そうだし・・ヘルメットのデザインって結構難しいんじゃないかと思うんですけど、どうなんでしょうね。
・「ジャスティーン」がカッコいい
一矢の声は、当時のロボットアニメの主人公定番の神谷明さんです。
神谷さんの叫びは本当にイイ。どれも癖になって何度も聞き返してしまいます。中でも「ジャスティー―ン!!」がカッコよくて一番気に入りました。
ちなみに、他は「ゲッターロボ」の「ゲッタートマホーク!!」と「シャインスパーク」がお気に入り(笑)。
・ゲロイヤーの声がジャイアンで良かった
ゲロイヤーって名前もスゴイけど、見た目もキャラ的にも悪い奴で最悪だったのが、声がたてかべ和也さんだったおかげでいろいろと緩和されて良かったと思います。あの話し方がどことなくコミカルでイイんですよね。ジャイアンの「な~んだとぉ お~い おまえらぁ~!」「こ~んにゃろ~」と同じ効果です(笑)。
・エリカが強くて良かった
最初はか弱かったのに、途中から自分がリーダーになって動いていたのが良かった。「エリア88」のヒロインに似てるなぁと思ってました。あれも、主人公が戦っている間に裏で動いてたんですよね。あれだけ平和主義者だったのに、最後は復讐の鬼になっていたのには痺れた。オルバンを殺す機会を伺っているシーンはこちらも手に汗握るくらい緊張しました(笑)。
・リヒテルが良かった
見た目も声もハイネルに似てるけど、ハイネルより随分大人だし意外とまともな人物だと思いました。普通にバーム星の平和を願っていたし、部下や妹のこともちゃんと考えていたし。もし、最初の父親暗殺事件がなければ、普通に地球人になじんでいたのかも。ハイネルは結構めちゃくちゃな所があって、そもそも何であんなに地球人を憎んでいたのかわからなかったけど、リヒテルは「父親を地球人に殺されたから恨んでいる」という明確な理由がちゃんとあって筋が通ってました。三輪のこともあったし。それもあって、どちらかといえばハイネルの方が人気があったみたいだけど、私はリヒテル派です(笑)。最終回になる前に一矢とわかりあえて欲しかったなぁ。
★気になったところ★
・一矢に感情移入できなかった
「ハマる」までには至らなかったのは、きっとこれが一番の理由だと思います。敵の妹を好きになってしまった、ということで仲間達に迷惑をかけることになってしまったわけなんですが、それ以外については一矢は結構パーフェクトなヒーローだったと思います。空手ができて、強くて、ロボットの操縦ができて、宇宙飛行士だから絶対勉強もできるはず。実は苦労人なので仲間達からは尊敬されるし慕われている。しかもイケメンでスタイルが良くて、ドラムが叩けて、親もエリートで博士なので金持ち。遺産はダイモス。その上、女にモテる。あのエリカの扱い方からして、普段から女性に不自由したことない感じですよ(勝手な妄想ですが(笑))。唯一の弱点は「エリカのことで感情を左右されて暴走してしまう」ということくらいで、そんなこと、見ている方としては「知らんよ」という感じだし、どこに感情移入すればいいのかわからなかった。女性の私が見てもそう感じたんだから、男性から見たらもっと・・?どうなんでしょうか。私は、京四郎やナナの方が感情移入しやすかったです。ナナはずっと可哀想だったなぁ。一矢にとってナナは最初から最後までずっと「対象外」。子ども扱いするだけじゃなくてもっと真剣にナナの気持ちに向き合って欲しかった・・。そういうところもマイナス点だと思いました(苦笑)。
・そもそも一矢がなぜエリカをあんなに好きになったのかわからなかった
これもハマらない理由の一つでした。エリカが一矢を好きになった理由はなんとなくわかる。記憶喪失になって誰も頼る者がいなかった時に唯一優しくしてくれたのが一矢だったから、まあそうなるだろうと思う。でも、一矢がエリカを好きになった理由はよくわからなくて、ただ単に「美人だったから」だけなんじゃないかと・・。一矢も「なんてきれいなんだ」みたいなことを言っていたし。その後一矢がエリカにしたことといえば、入院中のエリカを引き取って基地に短期間住まわせて、花畑(植物園?)に連れて行ったくらい。その間もエリカは怯えるばかりで、一矢とはあまりまともに会話できていなかったと思います。それであんなに好きになるとは、よっぽどあの見た目がツボにハマってしまったとしか言いようがありません。それとも、描かれていない部分でもっといろいろあったのでしょうか・・??
個人的には、エリカは記憶喪失・正体不明のままもっと長い間基地にいて、みんなと交流して仲良くなった頃に記憶を取り戻して、何も告げず一人で基地を去っていく・・という感じにした方がもっと切ない感じが出たんじゃないかと思います。その方が「可哀想、あんなに仲良くなったのに・・早く合わせてあげたい!」と、気持ちが入りやすかったと思います。
それか、思い切ってライザみたいな、いかにもな悪役キャラで敵対していた女性と徐々に恋に落ちていく話の方が面白かったかも・・そういう路線も見て見たかった!
・三輪がムカつく
一矢とリヒテルが最終回まで分かり合えなかったのはコイツのせい。三輪長官は地球防衛軍の長官で、一矢から見れば味方の中の敵でした。バーム側も内部分裂したけど、地球側もずっと揉めていたんですよね。嫌なキャラだったけど、こういうところがリアルに描かれた物はきっとそれまでなかっただろうから、かなりセンセーショナルだったんじゃないかと・・。それにしても最後の最後まであんなにしつこく絡んでくるとは思いませんでした。一矢が拷問されるところは、もう今のアニメじゃ描けないだろうな・・。でも、それまでの一矢の行動を挙げると、全て地球への裏切り行為と一致するというところは見事だったな。
・後半でいきなり入ってきた元太の謎
元太は、おかねさんの甥っ子という設定で、最終回まで残り10話のあたりで突然レギュラーとして登場した10歳前後の少年です。暴れん坊といいつつも、暴れたのは最初の1~2回くらいで、あとはよくある「物語に関係ないのに基地に出入りしている、主人公を慕う子供キャラ」になり、これといった活躍もありませんでした。中盤で登場するならまだしも、あんな後になってレギュラーになるなんて謎でした。おそらく、話の内容があまりにシリアスになってきたので、テレビの前のチビッコを置いていかないようにするためだったんだろうと思いましたが、それにしても登場が遅すぎじゃないでしょうか・・。しかも、セリフが一言二言しかない回もあって、野沢雅子さんの無駄遣いしてるなぁと思いました。
・ダイモスの動きと一矢の空手が連動している感じがしなかった
ダイモスと一矢の手と頭と肩が管で繋がっていて、コクピット内で動く一矢と連動してダイモスが動く設定なんですが、なぜか不自然な感じがしました。資料を読んでいたら「繋がっていたのは上半身だけで、下半身はシートに座ったまま。キックの時はどうしていたのか」とナイスツッコミがあり、違和感の原因はそこか!と気づきました(笑)。連動させるならもっと徹底した方が良かったと思うし、いいとこ取りなら普段は普通に操縦して、必殺技の時だけ体と連動した空手技になるとかにすれば良かったと思う。
・戦いに勝っても、スッキリしない回が多い
前半の話が特にそうでした。どんなに苦労して倒しても、「勝ったところで、エリカがいなければどうにもならん!」みたいなラストが多かったので、爽快感がなくて、子供の視聴者はつまらなかったのでは・・。
・もっと楽しい話が欲しかった
おかねさんと鬼頭さんの話や、透け透けカメラの話みたいなのがあと何話かあったらよかった。ああいう息抜き回は大切だと思う。
・予告が始まる時の音楽にビビる
予告が始まる時の♪デデーデーン♪という音が、「エースをねらえ」のOPのイントロっぽくて毎回ビックリする。あれ、似てないですか?私だけかな?どうでもいいけど気になることのひとつです。
・最終回にいろいろ疑問が残った
リヒテルが一矢のことを理解するまで時間がかかりすぎ。
三輪長官がどうなったのか不明のまま。
「この物語はここで終わる」「(これから先どうなるのかは)この物語を支持してくださった人達の想像におまかせすることにしたい」という衝撃のナレーションで無理やり終了してしまった。
主にこの3点ですね。最終回にたどり着くまでは良かったのに、最終回が中途半端だと思いました。最後にリヒテルが自ら死を選んだことは「ああ、こうなるだろうな」と想定内でしたが、一矢のことを認めた後に少しでも二人で協力して何かをする(オルバンを倒すでも、木星に向かうコンピューターを止めるでも)ということをやって欲しかったと思いました。
三輪長官は、一矢にボコられて重傷を負った後、「逮捕命令が出た」というところまで語られていましたが、その後どうなったのかはわからずじまいでした。絶対に復讐に来そうだし、はっきりさせてほしかったところです。ちなみに長浜監督の案では最後発狂する所まで考えられていたそうで・・。これを知れただけでも安心しました(笑)。
一番残念だったのは、やっぱりあのナレーションですね。多分ダイモスを見ていた方ならかなりの方がそう思ったのでは?まさに「え?これで終わり?!」って感じでしたよ。ここに来るまであんなに丁寧に描かれていたのに、最後の最後だけこんな感じで終わるなんて変なの、と思っていたらどうやら打ち切りだったそうで・・。残りあと6話作られる予定だったところを減らされたということで、そういう事情なら仕方ないですよね・・。80年代以降ならOVAを出すなりして補完できそうですが、もったいない話です。
あと、正直な話、「一矢とエリカ、キスもハグもせんのか~~い!!!」っていうのもかなり不満でしたよ(笑)。でも、リヒテルのこともあったし、一矢を含めみんな重傷を負ってて最後はそんなシーンを挟む隙もムードも何もありませんでした。これも仕方ないですね(T_T) 逆にそういうファンサービス的なシーンに走らなかったことに、スタッフの方たちの真摯さと本気を感じることができました。
でも・・せめてあともう一話あったら、そういうシーンも描けたんだろうなぁ・・。
ハマらなかったといいつつも、これだけ語りたいことが出てきたということは、なんだかんだでハマっていたということでしょうね(笑)。最終回が少しづつ課題を残してる感があって、見終わった後しばらくモヤモヤが止まらず考え込んでしまいました・・(^^;) でも、ちゃんとハッピーエンドですし、大きな問題は全て解決した状態で終わったので、そのあたりは安心して見ることができます。上でも語ってますが、せめてあともう一話欲しかったところです。
ゴチャゴチャ語りましたが、一見の価値ありです。