1987年に放送されていた「機甲戦記ドラグナー」です。
実は、このアニメについて語るのは今回が初めてではなく、10年程前にこちらでムック本を紹介した際に少し語っていたりします。忘れもしない、「別冊アニメディア 機甲戦記ドラグナー PART1」にヒロインではなくケーンがメインのスク水ポスターが付いていた衝撃。そして、2013年になっても「PART2」が未だに発売されていないということについて突っ込んでいましたが、あれから10年。未だに発売されておりません。でも私はこれからもゆるーーく待ち続けますよ(笑)。
このアニメが放送されていた頃、私は小学3年生でした。まさに子供時代真っ盛り。80年代後半とはいえ、昭和の田舎の小学生だった私は学校が終わると毎日暗くなるまで外で遊び惚け、ファミコンにビックリマンシールのコレクション。キョンシーブームもこの頃だったっけ??あれだけ夢中になっていた藤子アニメにはそろそろ飽きてきて、愛読書も小学館の「小学〇年生」から「りぼん」等の少女漫画に移っていった頃でした。そして「ケイブンシャのアニメ百科」を読み、アニメについて研究。少しづつオタク脳を形成する毎日でした。後々確認すると、そのアニメ百科にもドラグナーの記事がガッツリ載っていたのですが、当時の私は全く興味もなくタイトルすら覚えておらず、このアニメの存在について知ったのは成人してからでした。
当時の私が一番好きだったアニメは「BUGってハニー」でした。マイナーな作品で、今思えばなぜこれがそんなに好きだったのか全くわかりませんが、買ったばかりのビデオデッキで一番最初に録画した番組で、そのくらい好きで仕方がありませんでした(笑)。あとは、「ミスター味っ子」ですね。コレもいろいろ思い出があるので、じっくり見た後に語りたいとずっと思い続けています。
1987年といえば、マジンガーZから続いたロボットアニメブームも終わり、あれだけいろんな制作会社がこぞって放送していたのに、どこの会社もいつの間にかそのジャンルからフェードアウトしていた時期だったと思います。
当時のロボットアニメといえば、高年齢向けのリアルな内容が主流になっていたため、子供からは人気が出ず、肝心のアニメファンもさすがにそのパターンに飽きてしまっていたんでしょうか。当時のリアル子供からしてみても、人気があったのはガンダムくらいで他のロボットアニメが話題になることはありませんでした。それよりも子供に人気だったのはもっぱらキン肉マン・ドラゴンボール・聖闘士星矢みたいなジャンプ作品か藤子アニメ、ビックリマン等でした。
そんな時代に放送されたドラグナーは「ガンダムZZ」の後番組でサンライズ制作のロボットアニメということで、最初は注目されていたようですが、放送が開始すると、当時の定番「子供に人気がないし、関連商品(プラモメインだったらしい)も売れない」、かと言ってアニメファンが望むような内容でもなかったのか、映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に話題を全て持っていかれてしまったという切ないいきさつがあるそうです。
やっぱりガンダムには勝てませんよね。今でもガンダムというタイトルをきくと「おおっ?」となりますからね。でも私は逆に、ドラグナーの明るさと細かいことにとらわれない作り(やむを得ずそうなってしまったのかもしれないけど・・)が好きで、今でもたまに見たくなります。内容は10年以上前に全話視聴済みだったのですが、好きなのに感想を語っていないということが長年気になっていて、今回やっとその機会が訪れました。忘れていることが多かったので、もう一度全話見返しましたが、本当に忘れていたことだらけで初めて見たかのようにいろいろ面白かった!・・ということで感想を語りたいと思います。
★良かったところ★
・キャラがみんな明るい
ドラグナーの特徴としてはやっぱりこれが一番だと思います。主人公は熱血おバカキャラのケーン。そして、その親友のタップ(日本人が想像する黒人の少年キャラ像そのもの。陽気な和み系)とライト(冷静で3人の中では一番お兄さんタイプ)。3人の高校生が勝手にドラグナーに乗り込んだのがきっかけで戦争に巻き込まれ、成り行きでそのままドラグナーのパイロットとして戦うことになってしまうという展開です。その他のキャラとしてはケーンのガールフレンド(たぶん「彼女」ではない)であり、このアニメのヒロインのリンダ、タップのガールフレンドでキャピキャピ系のローズ、民間人に見せかけておいて、実は情報部員だったダイアン。あとは、ケーン達3人の兄貴分でお目付け役のベン軍曹、最後まで微妙な立ち位置だった上官のダグラス中尉、面白キャラで3人の理解者でもあるリンダの父プラート博士、あとはギガノス軍で敵として戦うことになってしまったリンダの兄マイヨ、その部下でほとんどマイヨファンクラブ状態になっていた3人組「プラクティーズ」、グンジェム隊だったのに突然イイ女キャラになったミン大尉・・他にもいろいろいますが、それらが最終的にギガノス軍の大ボスとなったドルチェノフ中佐を倒すという流れになります。
80年代のロボットアニメといえば、最初は明るく始まっても途中から一筋縄ではいかない流れ(ややこしくてめんどくさい展開)になってくるというのが定番になっていたのですが、こちらは最初から最後まで明るいまま。ケーン達が所属している地球連邦軍側は仲間意識や雰囲気が変わることもなく、3人の友情もそのままでとても安心して見ることができます。基本的に「今回は苦戦したけど、3人で力を合わせて勝つことができたぜ!」みたいな展開が多かったので、毎回スッキリとした気分で見ることができました。
キャラについて、ケーン達3人はとにかく等身大の高校生らしいのがいいなとずっと思っていました。年相応のアホさ加減、戦いではいつも素晴らしい結果を残しているのに軍の中では完全に子ども扱い。その中での生意気さも最高だったと思います。ヒロインについては、リンダが見た目も性格的にも大人びすぎていたのが、地味に思えてもったいないと思いました。性格はあれでいいとして、見た目がもう少し可愛らしい感じだったらよかったのにと。ローズが可愛い系を持って行ってしまったので、その対比として仕方なかったのかもしれませんが・・。初期設定ではもともとローズがヒロインの予定だったらしいですしね。そのローズはこの時代の2番手ヒロインとして「いかにも」な感じで、そのキャピキャピ感に多少イラっとすることもありました。まぁイイ子であることには変わりないので別にいいんですが・・。それにしても、あのローズのルックス、他のアニメでも見たことがある気がして、ガンダムZZのリィナ、北斗の拳のリン、きまぐれオレンジロードのひかる・・いろいろ考えたんですがどれもイマイチしっくりきません。もっと他に似た子がいたような気がするんですが、思い出せずにいます。とりあえず当時はああいうショートヘアのヒロインが流行ったんでしょうか。第三のヒロイン(?)のダイアンはもっと活躍するかと思っていたのに中盤でフェードアウト(異動だけど)してしまったのは意外でした。そして、最初はライトとイイ感じになるのかと思っていたら、全く相手にされず(高校生なので当たり前だけど)最後の最後でベン軍曹が選ばれるとはこれまた意外でした。あの二人を見ていると「未来少年コナン」のダイス船長とモンスリーを思い出してしまいました。立場的にも全然違うし、ダイス船長と違って軍曹は元々最初からカッコいい人間なんですが、「へぇ、あの二人がねぇ!」という意外な組み合わせから来るワクワク感が似ているなぁと・・。ただし、ダイアン自体の出番が中盤以降全くないので、二人が結ばれたということは最終回を見るまでわからず、後半で少しでもエピソードがあればなぁと思いました。と言っても、後半は結構怒涛の展開で、そんなことやってる場合じゃなかったんですけどね。
マイヨはリンダの兄で、考え方の違いからギガノス軍側にいてリンダやケーン達とは敵味方に別れてしまっているという、どこかで見たことがある設定でした。おまけに通称「ギガノスの蒼き鷹」と呼ばれ、そのエリートぶりをチヤホヤされていて、ケーンの宿敵のような感じで描かれていたのに、中盤でドルチェノフに嵌められてからはギガノス軍から反逆者扱いされてしまい、居場所を失ってしまいます。最初は70年代後半以降定番になっていた、単なる美形の敵かと思って見ていたけど、後半になるにつれてどんどんマイヨに感情移入できるように話が進んでいったのです。予告でも「影の主役」とか言われてケーンの出番が少なくなってしまっていることを弄られたりしていましたが、本当に後半はマイヨの復讐劇の印象が強くてびっくりです。マイヨを見ると北斗の拳のサウザーを思い出します。それと逆襲のシャアの時のシャアを足したような顔だなとずっと思っていました。
・キャラのやりとりが面白い
これもドラグナーといえば、の特徴の一つだったと思います。80年代のギャグのやり取りは、今見ると正直つまらないどころか薄ら寒いことが多く、見ているこちらの方が恥ずかしくなってしまうことが多々あるのですが、そんな中ドラグナーのギャグ・コメディシーンは今見ても普通に面白いと思いました。まるで「毎度おさわがせします」のようなお色気・Hなシーンもありましたね。今ならああいうシーンは描けないだろうけど・・。
80年代初頭に「オシャレな会話」みたいなのが流行った時期があったけど、ドラグナーのやりとりはああいう感じでもなく、コントやお笑いのようなやりとりというか・・・。特にケーン・タップ・ライトの3人の会話は海外のドラマや映画みたいで、そこが他のアニメとちょっと変わっているなと思いました。特に堀内賢雄さんがいるからか、声だけ聴いていると洋画の吹き替えのようでした。1話の物語の導入部分、3人が悪さをしているシーンなんかも、モロに当時の映画のようですしね。
好きだったのは、最初の頃の話で軍に捕まった3人が自分の年齢を聴かれるシーン。3人は同級生だけど、ライトが17歳で、タップとケーンは16歳。年齢を聴かれて、タップは「(今は16歳だけど)来月で17歳になります」と答えるのですが、次に年齢を聞かれたケーンは、17歳になるまでまだ何か月かあるのに「俺も夏で17歳になります」というようなことを言いかけてそれをスルーされてしまうシーンです。何てことない細かいやりとりだけど、このシーンがなぜかツボで気に入っていて10年以上前に見た時から忘れられませんでした。あと、部屋のパスワードが1126で「イイ風呂」だったこととか、ダグラスが「本当は自分がドラグナーに乗る予定だったんだ!」というのをずっと恨み続けていて、それを事あるごとに3人に訴えるのも好きでした。ダグラス、悪い人じゃないのに最後まで心から3人に歩み寄ることがなかったのがちょっと残念だと思いました。最初から最後までずっと一緒にいたんだから、後半は少しくらい親心が芽ばえても良かったんじゃないの?とずっと思ってましたよ。実際は親心が芽ばえるどころか、母親を助けるためにギガノスに投降したケーンをそのまま放置して作戦を遂行しようとしていましたからね。そういう人物も一人くらい必要だということだと思いますが、ここは何とかならなかったのかと思いました。
それに比べると軍曹はとても良かったと思います。最初は3人におちょくられつつ口うるさくケーン達を指導していたけど、途中からケーン達の階級が上がって軍曹の方が部下に。3人に敬語を使いながらも、叱ったり諭したりと兄貴分として3人の面倒を見ている所が好きでした。最後にケーンのお母さんを無事に救出できたのも軍曹がいたからこそ。素晴らしいキャラでした。
予告も毎回凝っていて、ほとんどの回がケーン・タップ・ライトの掛け合いで内輪ネタを含みつつやっていたけど、たまにリンダやローズがやったり、軍曹がやったりプラクティーズの3人がやったりとそういうのも面白くて良かったと思います。
・作画が綺麗
特に初期OPが美しくて凄いなと思いました。全体的にキャラデザが大人っぽい感じなのも良かったと思います。本編の作画も良くて、普通か気合が入っているかのどちらかで、崩壊してると思った回はありませんでした。87年ともなるとメカの作画・色の塗り方もギラギラ・艶々で、メタリック感満載!!90年代後半のアニメと言われても違和感ないくらい洗練されていたと思います。10年前の1977年はまだ「セイカのぬりえ」の表紙のような作画・色使いだったのに、たった10年でもの凄い進化だなと思いました。サンライズ作品で言えば77年どころか、81年の「ダイオージャ」まで古臭い感じだったと思います。
・主題歌がイイ
OPは初期の「夢色チェイサー」、EDは後期の「ShinyBoy」が好きです。OPは何といっても上で語った通りの気合の入った作画、歌も盛り上がるところが良くて、EDは歌詞も映像も可愛らしくて好きです。あのモビール(?)みたいな玉にそれぞれのキャラの顔が映るところ、ケーンの両親やマイヨの変顔が見れるのも貴重です(笑)。
・コミカルな中でも、締めるところは締める
全体的にコメディタッチな作風でしたが、ちゃんとしなければいけないシーンは本当に真面目に描かれている所がよかったです。80年代はとりあえずアツくなったり真面目にやることがちょっとダサい、みたいな風潮があったので(番組にもよるんですが・・)、ちょっとシリアスな内容だったりすると、オチでその照れ隠しに無理矢理ギャグシーンを入れて「ズコー」みたいな感じで締めようとしたり、クールに終わらそうと考えた結果、素っ気ない雑なラストにしたりというのを度々見ました。でもドラグナーはそのあたりはちゃんとしていて、アツい回は最後までちゃんと熱苦しく、シリアスな回はちゃんと最後まで丁寧に描かれていたと思います。印象に残ったエピソードとしては、初期の頃、ギガノス軍の人に捕まったケーン達が、結果的に戦い方を教わることになってしまった回(この回はプラクティーズが完全に嫌な奴として描かれていて、見ていてイライラ度MAXでしたが、ラストにグッときました)、地球連邦軍が慰労会を開催する話(ほのぼのコメディ回だったにも関わらず、ラストで村ごと爆破されて終了というギャップが凄かった)、ケーンがお父さんと和解する回(ありがち)、学校のクラスメイトがギガノス軍にいたという回(ありがち)、ケーンが誰にも相談できずにギガノスへ投降する回(タップ&ライトの友情が泣かせる)等々が心に残っています。
ただ、せっかくシリアスに終わらせたのに、その直後の予告で話の内容を茶化したりおふざけモードになることがあるのが多少気になったりしました・・。特にDVDや配信で見るとそう思えてくると思います。でも、本放送やテレビの再放送だと予告前にCMが挟まるので、あまり気にならなかったかもしれませんね。
・ハッピーエンドでスッキリ終了
80年代のロボットアニメといえば、後味が悪かったり、何だかなぁと微妙な終わり方だったり、全滅(全裸宇宙遊泳)・打ち切り・崩壊等いろんなパターンがあったと思うんですが、どちらかといえばバットエンド寄りの方が多かったような気がします。そんな中、ドラグナーは問題が全て片付いて大団円。おまけにラストの数分間でキャラクターたちの後日談の映像まで見せてくれるという、余裕のある親切な作りでとても良かったと思います。
初期はケーン達3人が軍に入隊する羽目になってしまい、戦いに巻き込まれる中でいろんなことを経験する様子が丁寧に描かれていました。その反面、正式な軍人でもないのに余計なことをしてしまったおかげでドラグナーのパイロットとして登録されてしまったケーン達が、自分達の登録を解除してもらいに重慶(本部基地みたいな所がある)へ向かうというのが目的だったりして、それがちょっと他のアニメと違って面白いところでもありました。その後登録を解除してもらって、一旦は軍から解放されることになって喜んでいたのに、ドラグナーが解体されると知るとケーンは「これまで一緒に戦ってきた愛着のあるドラグナーを壊すとは何事か。それなら俺がやってやる」みたいな感じで結局戦いを続ける道を選んでしまいます。「これからもずっと軍に残ってほしい」と思っていたプラート博士達が仕組んでいたこととはいえ、それにまんまと乗せられたケーン。ここはせめて、最初は辞めるつもりだったけど、どうしてもギガノスを自分たちの手で倒したいと思わせる何らかの事件があって戻ってきた とか、もっといろいろ戦わせる理由が作れただろうに・・とツッコミどころしかありませんでしたが、そんなストーリーが番組中盤まで続いて、路線変更。
ガンダムみたいな路線は無理だと諦めたのか、ある意味それまでのロボットアニメにはなかった独自路線に突入。謎のグンジェム編を挟んで、後半はマイヨにギルトール元帥(初期の頃のギガノス軍の一番偉い人)暗殺の罪をなすりつけたドルチェノフへの復讐と、ケーンの母親を救出するという二つのストーリーが同時進行で進んでいきます。ドルチェノフの人質になっている母親を盾にされて、ドラグナーで投降することになってしまったケーンがどうやって母親を取り戻すのか、地球連邦軍を敵に回すことになって、タップ・ライトと戦わなければいけなくなった時にどうするのか、とか怒涛の展開をワクワクしながら見ていました。
同時に、仲間がプラクティーズの3人だけになってしまったマイヨが、どうやってドルチェノフを倒すのか、というのも見どころで、どちらも面白かったと思います。グンジェム隊にいたミン大尉がマイヨに惹かれて仲間に加わってしまうのも良かったし。
最終的に地球連邦軍の計らいとベン軍曹やリンダ達が来てくれたこともあって、ケーンはお母さんを無事に取り戻すことができ、更にケーンとマイヨが協力してドルチェノフのギルガザムネを倒したのはスッキリしました。ギルガザムネはパイロットの脳と連動して動く仕組みになっていて、ケーンもマイヨもかなり苦戦していたのですが、メカ2体が重なっている場合はその存在を把握するのに混乱してしまうという、番組中盤で判明した弱点をここで持ってきたのも良かったと思いました。あと、この手のアニメだとマイヨみたいなキャラは、最後の戦いで力を使い果たしたり、主人公に全てを託して死んでしまうというのがありがちだと思ったんですが、マイヨは死ぬこともなくケーンや父親のプラート博士とも和解。目的を失ったマイヨはギガノスの消滅と共に死のうとしていたけど父親に諭されて、最後はプラート博士と一緒に戻ってくるという珍しいパターンでした。マイヨみたいな思い込みが激しくストイックな人間が父親にちょっと説教されただけで考えを変えて和解するなんて、実際はありえないだろうけどこれはこれでOK。こういう所が平和でドラグナーらしくて好きでした。ただ、マイヨが戦いの後どこへ向かったのか、ミンはどうなったのか?というのが一切描かれていなかったのがちょっと残念でした。きっとこのあたりはあえて描かない方がいいと判断して、「想像におまかせします」ということだろうなと思いました。
★気になったところ★
・グンジェム隊が汚い
ドラグナーのキャラデザは、どちらかといえば美麗な方だと思うんですが、26話から38話にかけて登場したグンジェム隊は本編でも「ギガノスの汚物」と呼ばれているだけあって、やることがゲスいのはもちろんのこと、その見た目も汚らしくて正に「汚物」と言った感じでした。私は、美形キャラじゃないと見たくないとか、そういう考えではないのですが、正直このグンジェム編が嫌で仕方なかったです(笑)。絵柄的には北斗の拳のザコキャラのような感じで、一人だけ美形だったジン中尉は男塾の美形キャラのような感じでした。後半以降の敵がずっとグンジェム隊だったらどうしようと思いましたが、約10話分で終了し、ミン大尉を除いて全滅して下さったので安心したくらいです。
ドラグナーが路線変更し始めたと感じたのが20話あたり。ケーンが対立していたお父さんと和解する話や、地球に降り立って青森のおばあちゃんに会いに行く話、ケーンがマイヨに寺に呼び出されたり、中国へ来て観光するシーンがあったりと「あれっ?」と感じる不思議エピソードが増え始めてからで、そこへ登場したのがグンジェム隊でした。ドラグナーのメインキャラのデザインは大貫健一さんがやっていて、それは良かったのですが、その路線変更あたりからゲストキャラのデザインが芦田豊雄さんになり、これがちょっと違和感がありました。当時の芦田さんといえば、アラレちゃんとかバイファムとかガラットとかああいう感じで、パッと見ですぐにわかるくらい特徴的な絵で、ドラグナーには合ってないよなぁ・・とずっと気になっていました。グンジェム隊のデザインも芦田さんだそうですが、ポップなデザインで有名なのに、当時「北斗の拳」もされていたと思うので、その感じであのようなデザインにされたのでしょうか・・。
そんな不満だらけのグンジェム隊でしたが、ゴル大尉がやられたあたりから突然チームワークを発揮し始めて、どこで撮影したのかわからない遺影を飾ったり部下愛に溢れていたグンジェムには笑ってしまいました。その後も仲間が一人やられるたびに遺影が増えて行って、線香やお供えをしていたり、ガナン大尉は髪の毛がカッパ状にズル剥けになって爆発したりと、所々に小ネタを仕込んできたりして、グンジェム編って一体何だったんだろう・・と今更ながら思ってしまいます。
・後半は誰が主人公なのかわからない
上で語った通り、後半はマイヨがメインの話が増えるため、予告の時の掛け合いでも「主人公の影が薄い」とケーンは弄られていました。暗殺者扱いされてしまっているため、マイヨは味方を失ってしまいます。そんな時にマイヨは無実だと信じて、以前と変わらず上官として慕って付いてきたのがプラクティーズの3人。この3人は初期の頃ケーン達をいろいろ苦しめた奴等で、生意気なお坊ちゃん兵隊なところと、マイヨの命令を聞かずにお節介で勝手に行動してしまったりするところがイライラして大変嫌いだったんですが(笑)、後半はなんとなく頑張っている若者みたいになってしまってました。それでも所々でイラっとくるところは変わりませんでしたが・・。特に、名前は忘れたけど浦飯幽助みたいな見た目の奴が一番嫌なんですよ。よくわからないけど何となく(笑)。
ケーンも言うほど影が薄かった訳じゃないんですが、マイヨが少人数でどうやってドルチェノフと戦うのか、あの筋肉パワー系女子のミンとの関係はどうなるのかというのが気になって、こっちの方に注目せざるを得ませんでした。ケーンの動向ももちろん気になるのですが、戦うというよりお母さんを人質にされて苦しんでいる描写がメインになってしまったので・・。でも、素人の高校生が軍の中で互角に戦っているというこれまでの流れの方が不自然なのであって、ここに来て大人なプロの軍人と所詮民間人の高校生、というのを対比させているなとも思いました。
あと、ケーンのお母さんが行方不明になっているというのが語られていたのは初期の数話だけで、それが突然最後の最後になって「母さん母さん」と言い出したのもちょっと違和感があったと思います。ドルチェノフがケーンのお母さんを人質にしたのは、お母さんは元々軍の関係者で、ケーンを自分の思い通りにするのに使えると思ったから。そして、そもそもケーン達がドラグナーに乗り込んだきっかけは、最初に艦を攻撃された時に行方不明になったお母さんを探すためだったんですよね。これもよっぽど最初から真剣に見ていなければ、忘れてる視聴者も多かったんじゃないかと思います。ドラグナー解体騒動の時なんか、ケーン自身もお母さんのことを忘れていたのでは・・・。
無理やり「気になったところ」を絞り出しましたが、「あえて言えば」というくらいです。・・でも、グンジェム編はやっぱり嫌だったかな(笑)。それ以外はみんな面白かったです。路線変更したとはいえ違和感があったのはグンジェム編だけで、その後はちゃんと最初の頃の話と繋がっていたと思います。リアル路線から解放されたところで、自由に制作されていたんじゃないかということが番組の雰囲気からも伝わってきました。
私としては、キャラ萌えみたいなのはなかったのですが、SF、メカもののアニメが好きで、明るくてコミカルなアニメが好きという方ならきっと楽しく見ることができると思います。
このアニメを説明するとき、『「〇〇」みたいな感じのアニメ』と例えるとしたら何みたいなアニメだというのが一番しっくりくるでしょうか。ガンダムみたいでもないし、マジンガーみたいな感じでもないし、マクロスでもゴッドマーズでもJ9シリーズでもない・・。どれにも例えようのない、不思議なアニメだと思いました。
このドラグナーを最後に、「ザンボット3」から続いたサンライズのロボットアニメも終了。数年後に勇者シリーズが始まることになるんですが、私は未だに一本も見たことがありません。勇者シリーズはイメージとしてマジンガー系のスーパーロボット路線だと想像しているのですが、実際のところはどうなんでしょう。どんな路線にしろ、きっと沼であることには間違いないので、いつか手を出してみたいと思っています。
それにしてもブームの終焉って怖いですね。東映が始めたロボットアニメに倣ってサンライズも違った路線でロボットアニメを制作。いつの間にかサンライズ制作の方が主流になって、東映は一足先にロボットアニメ制作を終了。ロボットアニメブームに陰りが見えた頃に東映がジャンプ作品のアニメ化でヒット連発。星矢ブームが来るとサンライズはサムライトルーパーを制作・・・というやりとりが、8時だョ!全員集合 → ひょうきん族 → 加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ の流れに似ていると思えて、私は勝手に一人で胸アツになるのでした。