円卓の騎士物語 燃えろアーサー・燃えろアーサー白馬の王子


1979年に放送されていた「円卓の騎士物語 燃えろアーサー」
1980年に放送されていた「燃えろアーサー 白馬の王子」です。

私はこのアニメのことが長年薄っすらと気になっていて、初めて知った時(20年以上前、東映アニメの主題歌集やアニメ主題歌集のCDで知った)以来、見てみたいと思っていたのですが、なかなかその機会がありませんでした。それというのも、スカパーをよく見ていた期間には放送されず、2023年現在、未だにDVDやブルーレイにもなっていなくて、「それなら配信で見てみよう」と思った時には配信されておらず、とにかくタイミングが全く合わなかったのです。それが、ついこの間アマゾンプライムを検索してみたら、配信されてるじゃありませんか。やっとここでこちらの「見たい」とあちらの「配信してやろうというタイミングが合ったので、有難く見てみることにしました。
それで、この「燃えろアーサー」というアニメは、あまりネットにも情報はなく、当時のアニメ雑誌での扱いもあまり良くなく(私が知っている限りでは特集記事もほんの数回のみ)、おまけに、元になっているという「アーサー王伝説」も全く知らなかったためどんな内容なのか見当が付きませんでした。そんな訳で、見たいと思っていたとはいえ、そこまで期待していなかったのですが、見てみたら想像以上に面白かった!なんでこれがもっと人気作にならなかったのか不思議なくらいです

いつもここに載せる画像も、番組の雰囲気を一番感じられるような画像(DVDのジャケットや当時の番宣ポスターとか)を選んでいるのですが、これと言ったのがなくて、結局上は当時のレコードジャケット、下は絵本か何かの一部(?)だったと思います・・。(どちらもネットから拾ったもので、所持品ではありません)他のアニメだと、キャラクターが勢揃いして決めポーズを取ったようなポスターとかがすぐ見つかるんですけどね。そのくらいネットに載ってる情報も少なかったです。

調べてみると、当時「グレンダイザー」が海外で大ヒットしたので、これも海外進出を狙ってアーサー王伝説を元にしたアニメを作ってみたけど人気が出ず、当初の予定の全50話を打ち切りにして30話に。そして残りの20話はもっと子供向けで単純な内容にした「燃えろアーサー 白馬の王子」として2部構成にすることになったといういきさつがあるそうです。
スタッフの方もこの路線変更がとても大変だったとか・・でも、私は前編も後編もどちらも違った雰囲気が楽しめ良かったと思いました。

ちなみに、放送当時は私は0~1歳くらいでしたが、もちろんこのアニメは全く知らずタイトルすら聞いたことがありませんでした。でも1980年といえば、「魔法少女ララベル」とか「怪物くん」とか「トムソーヤの冒険」とか「ニルスのふしぎな旅」とか見てたんですよ。それにしても子供ってまだ1歳やそこらのほぼ赤ちゃん期でもアニメとか見たりするんですねぇ。怖いですねぇ。
そんな感じで、いつもの通り感想を語りたいと思います。
※79年に放送された「燃えろアーサー」を前編、80年に放送された「白馬の王子」を後編として語ってます。


★良かったところ★

個性豊かなキャラクターがたくさん
前編は、主人公の熱血王子アーサー、無骨王子のランスロット、冷静沈着王子のトリスタン、チビッコ王子のガラハット、キレンジャーな騎士パーシバルの5人が剣や盾を探す旅をしたり、力を合わせて戦ったりする内容。そして後編はアーサー王子が自分の身分を隠しつつ、一般人の少年2人(アホで威張ってるけど気は優しくて力持ちのボスマン、その子分でヤンチャな発明好きなピート)、それに中途半端な言葉を話すオウム・サンデー、ほとんど人間みたいな犬・バロンと旅をしながらその途中で出会う悪い奴等やモンスター達を倒すという内容になりました。前編のシリアスな作風を好んだファンからは後編はあまり評判が良くなかったようですが、私はどちらの作風も甲乙付け難く好きです。
パーシバルとボスマンが3枚目のデブキャラ、ガラハットとピートがチビッコキャラというところで多少のキャラ被りがあるのですが、パーシバルとガラハットは騎士と王子様。ボスマンとピートは一般人というところでちゃんとキャラ分けがされていたと思います。同じデブ&チビコンビでもパーシバルとガラハットはちゃんとお上品に描かれていましたよ。それから、忘れちゃいけない、前編では結構重要な人物だった女性騎士のフィーネがいました。毎回アーサー達を手助けして頼りになるキャラだったのに、後編では一切触れられることもなく終わってしまいました。
そして、敵はしぶとすぎるラビック王に、中途半端な3枚目部下のガスター、確実に流行と見映えと女性ファンを狙ったことがバレバレなぺリノア。そしてほとんどトランプのジョーカーな魔女メデッサ・・レギュラーで出てくるのはこれくらいだったかな・・。あと、ヒロインのギネビア姫とパーシバルの妹がいたけど、二人ともイマイチ印象が薄い感じがしました。特にギネビア姫はこのアニメのヒロインなのに、さらわれるエピソードくらいで本人のキャラクターにクローズアップされた話はほぼなく、もったいないと思いました。それから、アーサーの育ての父と義理の兄はイイキャラだったな。

キャラデザ・作画がイイ
キャラデザを担当されていたのは「グランプリの鷹」と同じく野田卓雄さん。あの当時の東映アニメ絵柄のいいところが凝縮されていてとても好きです。80年代以降の煌びやかでポップな絵柄もいいけど、70年代後半のヒーローアニメで主流だった、あの力強さとキチンと感(?)のあるカッチリした絵柄が堪りません。古臭い絵柄と感じる人もいるかもしれないけど、あの手の絵柄は万人受けすると思うし、またああいう絵柄でアニメを作ればいいのにと思ったりもします。
あと、このアニメは全体的に作画が良かった方だと思います。特に菊池城二さんの作監回(結構たくさんある!)は少女マンガっぽくて素敵でした。それ以外だと3~4話に一度、ちょっとパンチの効いた荒っぽいのが来るかな・・という程度で(笑)。でもこの当時の東映アニメってみんなこんな感じのローテーションだし、そこまで気にはなりませんでした。

イケメン
実はイケメン揃いの円卓の騎士達。アーサーはアイドル系、ランスロットはワイルド系、トリスタンは正統派美青年。そしてガラハットはまだチビッコだけど、「小人さん」みたいで可愛い。パーシバルは和み系デブキャラ。今アニメ化するとしたら、おそらく全員美形にされるだろうところを、イケメンは3人にして後の2人をデブとチビにしたのは当時らしくてとてもイイ。全部イケメンにすると制作側の狙いすぎ感が出てきて、ちょっと白けてきますからね。あと、敵のぺリノアもめちゃくちゃイケメンなんですよね。これもまた、敵の中になぜか一人美青年がいるという当時の流行がありありと見えて微笑ましいです。想像したとおり、当時の人気はトリスタンで、このぺリノアも人気があったとか。トリスタンはわかるけど、昔からイケメンの敵には興味が持てなかった私はぺリノアについては何とも思わなかったなぁ。
あと、イケメンじゃないけど女性キャラだとフィーネ。男性群に混ざって対等に戦える美しい女性。これも当時の流行りのパターンですね。
美形キャラがたくさんいたこともあり、女性人気もそこそこあったようで同人誌なんかも発行されていたようです。

いろんなエピソードが楽しめた
ハマった・良かった所の一番のポイントがこれだったと思います。シリアスでアツい話からファンタジックな話、ちょっとコミカルな話もあったりして、どの回もとても面白かったです。前編は、一般庶民として育てられたアーサーが実はキャメロットの王子で、4人の仲間達と一緒に伝説の剣・エクスカリバーと聖なる盾・ビショップを探す旅をし、国全体を支配しようとするラビック王とそれに手を貸す修道僧ぺリノアや魔女メディッサを倒すという内容でした。その中でそれぞれのキャラクターに纏わるエピソードがあったり、苦悩の末に剣や盾を見つける達成感とかあとはとにかく仲間との友情!!やっぱりコレですよ。友情といっても、他のヒーロー物みたいな暑苦しい感じはなく、常に爽やかで暖かい感じがとても好きでした。仲間たちが同じお城にいるというのも楽しくて良かったし。
後編は、アーサー達が旅の途中で出会った訳ありの人達を悪い奴等から守るという世直しストーリーが主になっていましたが、2枚目キャラがいなくなり、アーサーもちょっと「おとぼけキャラ」になったこともあり、これはこれで前編とはまた違ったパターンの話が楽しめました。特に後編の最後の方は妖精だのモンスターだのが出て来たりして、前半よりももっとアニメらしい、童話のようなエピソードが多かったです。こちらはあまり感動とか、心動かされる派手なエピソードはほぼありませんでしたが、ボス&ピートとアーサーのやりとりが面白かったのと、仲間の中にオウムと犬(しかも、二匹とも、それなりに活躍する)がいたのも楽しくて良かったと思います。

「王子様」がイイ
アーサーはキャメロットの王子様、ランスロットはベニックの王子様、トリスタンはコーンウォールの王子様、ガラハットはワールズの王子様・・・と前編には4人の王子様が登場します。王子様ってイイですよね。少女マンガの王子様はイマイチ興味が持てないというか、むしろちょっと苦手なくらいなんですが、少年マンガヒーロー物に出てくる王子様変大好物です(笑)。特にこのアニメのように、熱血少年だったり、ちょっと荒っぽい感じの主人公が実は王子様だったというパターンが一番好きです。なぜなのか自分でも理由がわかりません。でもきっと、意外性とかギャップ萌なんだろうな思っています。
話が逸れましたが、上で語った通り、アーサー達は王子様集団ということもあってか他のヒーロー物に比べると普段から揉め事も少なく、穏やかな雰囲気で話が進んでいったと思います。たまに意見が合わなくて言い合いになった時でも必ず誰かが止めてくれるし喧嘩になることはなく、「とりあえず落ち着こう」「話し合おう」「俺もその意見に賛成だ」とお互いの手首を掴む握手(あれ、なんて言うんだろう?騎士の握手はあれが普通なのか??)で解決。「俺は勝手にやらせてもらうぜ!」みたいな、単独行動を取りたがるひねくれキャラが一人もいなかったのも大きな特徴(たぶん)だったと思います。むしろ、主人公のアーサーがちょっと暴走しがちな部分が描かれているところがありましたが、それもわりと短期間で克服。基本的に全員が「王とは、こうあるべき」みたいな大人な考えの持ち主で心も広く温厚なため、最後まで安心して見ることができました。
それにしても、アーサーは見た目からも「王子感」が溢れ出ていますね。なにしろ、トランプのキングに似ているし。まぁジャックにも似てるけど。あと、普段着が白タイツなのも王子度をアップさせています。そして、アーサーはこの時代のアニメの主人公にしては珍しく美少年として描かれていると思います。この頃の他のアニメの主人公は、絵柄的には見映えよくカッコよく描かれているけれど、本編ではあまりルックスには言及されなかったり、周りからカッコ悪いと言われていたり、女性にはもてないとか、そういう設定が多かったので。そこへ行くとアーサーはエンディングで絶賛されているだけあって、さすが「王子様」ですね

アーサー王子は柔軟性があって素晴らしい
これは本当にアーサーを褒めてあげたいほどです(笑)。アーサーは熱血漢で困っている人を放ってはおけない、曲がったことが許せない、興奮すると暴走しがち、とい70年代のヒーローアニメにありがちなシンプルな主人公です。他の70年代アニメで例えるなら「ゲッターロボ」の流竜馬が一番近いのかなと思います。声も同じだし。そんなアーサーは、7か国を統一するキャメロットの王子で、無茶苦茶地位が高いのですが、訳あって王家から離れた騎士の元で一般市民として育てられたため、とても庶民的なのです。どれだけ庶民的かというと、フットワークが軽すぎで、どんなささいなことでもすぐに自分が出ていくので、まわりがドン引きしたり呆れたりするほど。その動きっぷり・働きっぷりは王子というより自治会長みたいだと思いました。おまけに、アーサーは身分に拘らない気さくな無礼講王子。王子だらけの仲間の間では、実はパーシバルだけがちょっとランク外だったりするのですが、アーサーは全く気にすることはなく、「家来にしてください」とお願いしてきたパーシバルを「俺は家来はいらないけど、本当の友達が欲しい」といってあっさり仲間に迎えてしまうのでした。「本当の友達が欲しい」って、何て純粋で素敵なんでしょう。素晴らしい!!とはいえパーシバルに関しては他の3人も全くためらうことなく、すんなりと仲間になったんですけどね。
それから、アーサーは12年間ずっと庶民として育ったのに、「聖なる剣」を抜いたことをきっかけに王子だということがわかると、育ての父と義理の兄の態度が一転。直前まで息子・弟として接してきたのにその瞬間から突然敬語になり、アーサーの家来的な存在になったのです。普通なら「やめてくれよ、今まで通りでいいよ」と言うと思うんですが、柔軟なアーサーはあっさり受け入れて父と兄の名前を呼び捨てで呼ぶようになりました。
そして、後編「白馬の王子」になると、それまで2枚目だったアーサーがキャラ変させられることになりました。ちょっとコミカルでおとぼけ要素が加わり、例えるなら流竜馬からツワブキサンシローになったという感じです。これは結構わかりにくいと思うけど、わりと違うんですよ。アーサーのキャラ変は、前編の視聴率が悪かったので、子供向けに楽しい内容にしようという「テコ入れ」のためだったのですが、柔軟なアーサーはわりとすんなり馴染み、番組からの要望もあっさり受け入れたのでした(笑)。そんな感じで、アーサーは自由度の高い柔軟性にあふれたキャラだったということが分かりました。
でも、前編のアーサーもまるっきり2枚目キャラだったわけではなく、お調子者要素の片鱗がチラチラと見え隠れしていました。まず、1話で「聖なる剣」を抜く時にもちょっとおどけてみせたり、ギネビア姫を目の前にしてニヤニヤしたり王子になった後も事務仕事は苦手らしく、書類は「難しい言葉ばかりで何が書いてあるかわからないんだ」ということで都合のいいことを言って兄に押し付けたり、村の作物(芋)を勝手に引っこ抜いて畑の持ち主のババアに殴られたり。一番笑ったのが魔法の城にみんなで侵入した時で、「腹が減った」と言って準備してある食事を盗み食いしようとしたパーシバルとガラハットに「そんな卑しいことをするな」と注意しておきながら、城の中に魔物がいなくて完全に無人だとわかると、再びブドウを盗み食いしようとしたパーシバルに「うん、それくらいなら食べても文句を言われることはないだろう」となぜか食べることを許可して、おまけに自分もブドウを食べようとしたところです。食事の盗み食いはダメだけど、留守なら果物のみOK、という理屈の意味が分からないし、全然説得力がないんですけど。こんな感じで、実は元々ちょっとお茶目で面白キャラのアーサーなのでした。

前期のエンディング「花の中の花」がイイ
アーサーのシリーズの主題歌の中で一番好きなのが前編のED「花の中の花」です。これは本編を見る前から好きでした。とてもクラシカルでイイ歌だと思います。歌詞の内容はアーサー王子を褒め称えるもので、どう褒めているかを書くと、全て歌詞を羅列することになってしまうので書きませんが(笑)、そのくらい大絶賛な歌です。花の中の花、王の中の王、愛の中の愛、アーサー王子!!ステンドグラスのような万華鏡のような映像も気品溢れていて素敵です。内容を見た後だと更に深みが増して好きになりましたよ。間奏のトランペットやバイオリン(違うかもしれないけど、管楽器と弦楽器)も美しくて感動的!!もっと後の時代にアニメ化されていたらタイアップ曲になっていたり、メッセージ性はあっても普通の歌になっていたかもしれないから、正統派アニソン全盛のあの時代に放送してくれて本当に良かったと思います。
OPの「希望よそれは」は出だしが何かの歌に似てるなと思っていたら「メタルダー」のOPに似てることに気づきました。「君の青春は輝いているか」ですよ。アレも重厚で素晴らしい歌だったなぁ「白馬の王子」のOPとEDは、ちょっとお子様向け感マシマシで気恥ずかしい感じもしますが、映像と一緒に見ると明るくて可愛い感じがして嫌いではありません。EDも、なんか面白くて好きです。ちょっと「名犬ジョリィ」のEDみたいだけど。
あと、神谷明さんが歌っている挿入歌「友よ」が好きで、どこかで音声が落ちてたりしないかなと探しています。声優さんが歌うキャラソンってこの時代からあったんですねぇ。気になったのが、キャラソンまで作ったわりにはそのレコードジャケットがBGM集のLPと同じだということです。どちらが先に発売されたのかわかりませんが、同じジャケットなんて手抜き感丸出しだしもったいない。特にキャラソンの方はアニメーターさんの描きおろしイラスト(当時よくあった水彩画イラスト)にでもすれば良かったのにと思いました。

ここからは特に好きだった回についてちょっとした感想を・・

「燃えろアーサー」

6話「神剣エクスカリバー」
アーサー・ランスロット・トリスタン・ガラハットが神剣エクスカリバーを入手しに行く話。緑の騎士との決闘に負けて剣は貰えなくなる上、約束通り首を切られようとするアーサー。その身代わりになろうと、ランスロットとトリスタンが入ってきて「俺が 俺が」と3人が言い合うシーンはダチョウ倶楽部の「どうぞ、どうぞどうぞ」を彷彿とさせてちょっと面白かった。結局、アーサー達は試されていただけで、無事剣をゲット。上手く言いくるめられて置いてけぼりをくらった後、途中ですっかり忘れ去られてしまっていたガラハットもイイ。

8話「5人の若き騎士たち」
さらわれたギネビア姫を助ける話。ここでガラハット&パーシバルのコンビが誕生。5人があまり団結しておらず、みんなバラバラで行動してしまう。ガラハットとパーシバルの無茶によってどうにか助かるが、ラストはみんなで自分の行動について反省。それぞれが個性的で面白かったのと、心温まるラストが良かった。

11話「花咲ける騎士道の丘」
盾を探しに行った先で領主の決闘に巻き込まれる話。上でも語った、アーサーが兄・ケイに仕事を押し付けるシーンが見れるのがこの回。人任せにしただけなのにみんなに「上手くいきそうだ」と宣言するアーサーが面白い前半の能天気な日常と、後半のシリアスモードのギャップがすごいけど、イイ話だった。

12話「金髪の戦士・フィーネ」
用水路を作りに向かう途中で黒騎士に襲われたアーサー達がフィーネに助けられ解決する話。なぜかフィーネのやることなすことにいちいちケチをつけるランスロット。その後いろいろあってフィーネを仲間だと認めるが、最後にマスクの下の素顔を見て、そこで初めて女性だったということを知って衝撃を受けるのが面白い。アーサーもそこで気づいたらしいけど、私はアーサーとランスロットが女性だと気づいていなかったということに気づかなかった。トリスタンだけが最初から女性だと気づいていたというところにちょっとエロさを感じた。とにかく、いろいろ何かイイ。今後フィーネとランスロットの仲はもっと進展するかと思ったけど、何事もなく終わってしまったのは残念。

16話「恐怖の槍試合」
ガラハットが城内で行方不明になる話。ガラハットはひとりだけ子供だけど、ちゃんと仲間として認められている上、4人からとても大切にされていることが証明された心温まるエピソー男同士の約束を守って、外に出て行かなかったことをみんなから褒められるラストシーンが好きで何度も見てしまう。ぺリノアのせいで槍試合はめちゃくちゃになり、ウヤムヤになって終わってしまって出場者が可哀想。

20話「響け!父の足跡」
同盟を結ぶ話し合いをするために、アーサーがトリスタンの故郷の父に会いに行く話。いつも大人なトリスタンだけど父との折り合いは悪く、絶縁状態で家出したままだという意外性がイイ。トリスタンの父は病気で大分弱っていたので、ラストで死ぬのかなと思っていたけど、ラビック王と戦う勇気を取り戻してトリスタンとも和解。元気になるというこれまた意外なラストだった。アーサーはトリスタンと残して来た彼女の関係、親子仲を気にしたりと相変わらずのお節介ぶりを発揮。

22話「魔女の城の謎」
盾探しの旅の途中、魔法の城の中での出来事。上で語ったブドウ盗み食い事件がこの話。城の主人ヤーキブはいかにもモンスターな風貌で、自分のわがままのために妻の顔を髭モジャにしてしまったというかなりファンタジックな設定。普段の話の流れからすると違和感のあるエピソードだけど、これはこれでアーサーがヤーキブの謎解きに付き合わされたり村人の女性たちに振り回されたり面白かった。最後には盾のありかの地図をくれたりもしたし。ずっとこういう路線で旅しながらモンスターを倒すようなストーリーも見てみたい。

27話「地獄からの使者
アーサーの兄・ケイが殺される話。立派に成長したアーサーを見ながら父と一緒に思い出に浸るシーンはフラグ立ちまくりだと思ったけど、こういう時はどちらかといえば父が死ぬことが多いので、まさか最後にケイを殺すとは思わなかった。アーサーは家族にも仲間にも恵まれていることがよくわかるエピソード。ケイが死んだ時にアーサーが泣き叫びながらそこらじゅうの花を切りつける姿はグレンダイザーでデュークフリードが元婚約者を死なせてしまったシーンを思い出した。

28話「ドクロ騎士の正体」
ケイを失ったアーサーがそのショックから立ち直れず、父や仲間たちに励まされて乗り越える話。父や仲間たちの愛情を感じられる素晴らしいエピソード。いつもは家来モードの父が久々に父としてアーサーを叱るのもいいし、アーサーに気合をいれてほしくて喧嘩腰になるパーシバルとランスロットもイイ。そして、それを見守るトリスタンと心配するガラハット。この回のゲストキャラの少年が姉を亡くしていて、お互いに悲しみを乗り越えて頑張ろうというラストも爽やかでよかった。

「白馬の王子」

16話「火を吐く竜と少年」
父親を火を吐く竜に殺されて復讐に燃える少年とアーサー達が交流する話。火を吐く竜は、竜どころかバリバリのメカニックで、ここまでくるとファンタジーでもなく何でもありの世界観になったことが笑える。久々にトリスタンが登場。少年にしつこく「おじさん」呼ばわりされるトリスタンを弄るアーサーが見れる貴重な回。ところでトリスタンは一体何歳なんだろう?アーサーより少し年上で、18~20歳くらい?この時代のアニメは20歳以上はおじさん扱いされてしまう風潮があったのでおそらくいってても20~22歳くらいなんだろうな。

18話「輝け妖精の虹」
雨宿りのため忍び込んだ館にある絵の中に閉じ込められたアーサー達が、妖精ジニーに「盗まれた魔法の杖を取り戻してほしい」と頼まれる話。
まるで魔女っ子アニメのようなエピソードで、ヒーローアニメとのギャップが良かった。

19話「幻の人魚を見
アーサーが人魚の少女と出会い、魔女の生贄にされそうになってしまう話。これもまるで少女アニメのようなエピソード。魔女から「生贄としてアーサーを連れて来い」と命令されたレニーは、自分に親切にしてくれたアーサーをどうしても魔女に差し出すことができず、代わりにボスを捕まえて差し出したところが笑い事じゃないシーンのはずなのに笑ってしまった面食いの魔女は、イケメンのアーサーがどうしても欲しかったそうで、ボスの顔を見てボロクソに言うシーンも笑える。最初はこんな流れだったのに、結局レニーは助かることなく救えないラストのまま終了してしまった。

21話「激戦!最後の砦」・22話「アーサー王子の勝利」(最終回)
上でも語った最終決戦。最終回に関しては前編よりもこちらの方が盛り上がりと特別感があってよかったと思う。ランスロット・トリスタン・ギネビア姫が揃ったのも良かったし、ボスとピートが船長になってザイキングから奪った空飛ぶ船でアーサー達と共にキャメロットへ戻るというラストも楽しくて良かった。
ラビック王が令和の今でも作れなさそうな馬メカに乗っていたのも笑えたし、はやく脱出したいのに部下から「私も連れて行ってください」と邪魔されてグズグズしているうちに爆発に巻き込まれてしまうという、ちょっとみっともないラストだったのも何だかなぁと思えたけど、まぁ笑えたので良かった。


★気になったところ★

キャラクターの名前が覚え辛い
原作通りなので仕方ないんですけど・・・なぜか「ランスロット」がなかなか覚えられませんでした(笑)

ぺリノアのキャラが薄っぺらい
「黒い狐」ことぺリノアは元々は修道僧だったのですが、なぜか一方的にアーサーに恨みを持っていて、ラビック王に加担してアーサー達の邪魔をしています。これが、ア―サーがいたせいで自分の出世のチャンスを逃したとか、家族が殺されたとか明確な事情があれば敵対する理由もわかるんですが、ぺリノアがアーサーを憎む理由についてはあまりはっきりしておらず、一度言及されたのは「アーサーは一般人から突然王子になったのに、自分はずっと修道僧のままだ」ということだけで、恨むというより単なる僻みでアーサーを憎んでいたことになります・・。これはもっとどうにかならなかったのかと思いました。おまけに、最初から最後まで出ずっぱりで結構しぶとかったわりには最後は不遇で、まさかの味方(といっても仲間意識はない、魔女メデッサの娘メディア)に殺されてしまうというあっけない最後でした。しかも、トリスタンに一目ぼれしてしまったメディアが、トリスタンを刺そうとしたぺリノアを攻撃したというオチで、これもせめてアーサー絡みにしてやればよかったのにと思いましたよまぁトリスタンもアーサーの仲間なので、トリスタンを攻撃するということはアーサーにもダメージを与えるということにはなるんですけどね。

前編の最終話あたりが盛り上がりにかける
最終回の前の回は、パーシバルが村人の女性(魔女メディアの変身した姿)に惚れてしまう話&ぺリノアが死ぬ話。上で語ったとおり、敵の中でもメインキャラだったのに、ぺリノアはあっけなく仲間に殺されてしまい、おまけに女性に惚れ込んでしまったパーシバルが、騙されていたとはいえアーサーの大事な盾を勝手に持ち出してしまってピンチに陥るという、結構なことをやらかしたエピソードなのに、そのことについて何のお咎めもなく無事でよかったよかった、みたいにあっさりと終わってしまったのが最終回直前だとは思えませんでした。20話あたりの話だと言われても違和感ないと思います。

そして最終回はラビック王との最終決戦なのに、メインはガラハットが捕まる話。しかも、自分も戦いたいと勝手に飛び出していったガラハットをアーサーは「ガラハットの奴・・」と言いながらも止めるでもなく放置。そのおかげで予想通り捕まってしまうのですが、いろんな運の良さが重なったおかげで(何度も殺すチャンスはあったのに、「いやいや、すぐに殺してしまうのは惜しい。コイツは人質として生かしておかなければ・・」という理由で結局助かってしまう、よくあるパターン)アーサーが助けに来てあっさり解決。最終的に一人残ったラビック王は、アーサーが崩壊させた城の下敷き&火事により死亡。「やっとログレスは平和になりました」という感じで一部終了。ラビック王が死ぬということ以外は最終回にしては地味で、通常回とあまり変わらない雰囲気でした。せめて最後の2話は前後編にしてでももう少し盛り上がる話にすればよかったのにと思いました。

ボスとピートがアーサーの正体に気づかないのがちょっとじれったい
これなんですよね(笑)。ヤットデタマンとか鋼鉄ジーグとか、初期のグレンダイザーもこのパターンでした。
自分が王子だということを隠してボス&ピートと行動を共にするようになったアーサー。目的(ボス&ピートはザイキングが隠した財宝探し、アーサーはザイキング・北の魔王を倒す)は違っていても、行き先が同じだからと一緒に旅を続けるんですが、3人は毎回いろんな土地に行って、そこで「訳あり」で困りごとを抱えた人物に出会います。れには必ずザイキングや北の魔王が絡んでいて、ピンチになるとどこからともなく正体不明の「白馬の王子」がやってきて、みんなを助けます。そして、事件が解決した時には白馬の王子も姿を消していて「白馬の王子、今回も助けてくれてありがとう!そういえばアーサーがいないけどどこに行ったんだ?」「ごめんごめん、俺はこの岩陰にずっと隠れてたんだ!」という感じで、いつもピンチになると真っ先に逃げて行方不明になってしまうアーサーを、ボスとピートがつっこむ所がコミカルに描かれ、めでたしめでたし。このパターンが最終回の2回前まで続きます(笑)。何もかも前編とは別物で、これは確かに前編を真剣に見ていたファンは怒りますよね。ファンは怒るだけで済んだかもしれないけど、ここまで変えてしまって、原作のトーマスマロリ側は大丈夫だったのか??
でも、これでもこれはこれで慣れるととても面白いんですよ。ただ、ボスとピートがアーサーの正体に一切気づかないところが毎回じれったくって(笑)。白馬の王子とアーサーの共演がないことに、いい加減気づけっつぅ~の。OPでも♪俺はアーサー 白馬の王子~♪ってハッキリ言っちゃってるのに。前編から見ていた人はみんなそう思ったでしょうけどね。でも、ボスもピートも、なんだかんだ言ってもアーサーについては「気が弱くて戦力はないけど、頭はいいし性格もいい奴だから、まぁいいか」くらいの認識なので、二人からマジギレされることもなく、喧嘩をすることもなく仲良く旅を続けている様子を安心して見ることができます。ボスやピート側にしてみると、自分たちがピンチの時に真っ先に逃げていなくなる人なのに、懲りずに一緒に旅を続けてくれるんだから、そう考えると実は二人ともすごくイイ奴ですよね(笑)。アーサーが、自分がいなかった時間の言い訳をするのを、「今回は何て言うんだろう?」と意外な楽しみができたりも・・。「村の人にこの事件を知らせに行ってたんだ」が一番怪しまれずしっくりくる言い訳だということもわかりましたよ。
それでもやっぱりちょっと悔しくて、早く二人が正体を知ってギャフンとなる所が見たくて、途中から視聴速度がめちゃくちゃ早くなりました。話数も少ないことだし、さっさと見てしまいたいというのもあったんですけどね。そして、最終回。正体を知った二人のリアクションを見た時はスッとしました。じれったかったけどずっと見てきてよかった!!ちなみに、この後半のシリーズでもランスロットとトリスタン、ギネビア姫は途中から登場するので、当時途中から見るのをやめたという方は見た方がいいですよ。この最終回付近で、改めてアーサーと再会したランスロット・トリスタンがアーサーに跪いて挨拶するシーンがめちゃくちゃ好きです。いつも対等で「仲間」な3人だけど、こんな時は親しき中にも礼儀あり。素敵すぎました。ランスロットが「頭が高い」とボスとピートをグーで殴るシーンはコミカルで笑ってしまいました。今更だけど、アーサー、ランスロット、トリスタンの3人が身分を隠しつつボスとピートと一緒に旅をするような話にすればもっと人気がでたのでは・・・。トリスタンも飄々としていて意外とジョークのわかる男ですしね(笑)。ボスみたいな奴も別に嫌いじゃないんじゃないかと。

 

感想としてはこんな感じです。前編の最終回付近のあっさり感が気になったのを除けば、あまり不満な点もなく全体的にとても面白くて見て良かったと思いました。2023年に見たアニメの中では今のところ一番のヒット作ですよ(笑)。
人気が出なかった理由として「わかりにくい」「難しい」という点が当時から言い伝えられているようですが、個人的には「難しい」とは思わなかったけど「わかりにくい」とは思いました。普段は最終話まで通して見た後は記憶が曖昧な所や気に入った話をちょいちょい見る程度で、それ以外はめったに見返したりはしないのですが、これは最終話まで見た後に考えがまとまらなくてレビューがなかなか進まず結局もう一度最初から見直していたりします。2度目はだいたい内容を把握していたこともあって、すんなり理解することができました。元々原作を知っていればすぐに把握できるんでしょうけど、全く知識がないまま見始めるとそれが人の名前なのか、国の名前なのか村の名前なのかわかりにくかったり、登場するキャラクターも多いのでどれが誰なのかわからなくなったりすることが多々あったので2回見てやっといろいろ把握することができました。このアニメが放送されていた当時は、ロボットアニメとかでちょっとややこしい内容のものだと中盤で「総集編」が挟まれることが多かったと思いますが、アーサーもそれをやってもいいくらいだと思いました。番組序盤の頃の回で説明した内容なんて覚えてないだろうし、ビデオがない時代、見逃したら再放送があるまで永久に見ることができませんからね。

れから、特撮ヒーローとロボットとSFが主流の時代にいきなり中世のファンタジー物というのがなかなか受け入れ難かったようですが、それはよくわかりました。実は私も自分の好みから日頃はロボット・SFものを見ることが多いので、飛行メカ・ロボット・光線銃・ミサイルがいきなりこのアニメで馬・槍・弓・剣になったのがすごく違和感がありました。40年以上経って令和のこの時代にいろんなジャンルのアニメがあることを知っていながら見てもそう思ったんだから、あの当時はもっと違和感があったんだろうなと思いました。
ドラクエみたいなファンタジーRPGや聖闘士星矢、サムライトルーパー、シュラトみたいな鎧アニメ、アニメ三銃士等を経た80年代後半以降に制作していればもっと受け入れられやすかったかも??

アーサー達の鎧の地味な雰囲気や、乗り物が馬や馬車、戦力が剣・弓・槍というリアルさだったので、全体的にもっと史実に基づいた話なのかと思っていたら、伝説の剣と盾、魔女だの妖精だの空を飛ぶ船だの、そこはかなりファンタジックだったりして、とても不思議な雰囲気のアニメだとも思いました。妖精や魔法がOKなら、アーサーの馬が空を飛べるとか(名前も「ペガサス」だし)、もっと全体的にマンガチックな設定でも良かったのに。リアルな中にたまに魔法とかモンスターのエピソードが差し込まれているので、それもちょっと戸惑う原因のひとつだったと思います。逆に後編の「白馬の王子」は全体的にアニメらしい世界観だったので、こちらは違和感なく見ることができました。火薬の存在にすら驚いていたのに、思い切りメカニックな船やサイボーグ馬みたいな乗り物が出てきたのには笑いました。そういうノリがOKなら最初から常識に囚われずもっとメカだの光線銃だの出してくれば良かったのに。

当時発売されていたおもちゃ等もいろいろ検索してみたのですが、全体的に地味なラインナップで、これはきっと売上的にもアレだったんだろうなというのがよくわかりました。円卓の騎士のソフビ(全体的に雑な作り)と合金製?のアーサー(馬に乗っていて、ゼンマイで動く)、あとは鎧のヘルメットと伝説の剣エクスカリバー(昭和の子供が必ず持っていたカラーバットのような雰囲気の安っぽい剣)等、なりきりアイテムが主な商品だったようです。正直、今コレクションとして見てみてもどれもあまり購買欲が沸かない・・でも、ヘルメットは被ってみたいかも。入らないだろうけど。
それを考えると、聖闘士星矢で鎧フィギュアをメインアイテムにしてヒットさせたことは本当にすごいことだったんだということがよくわかりました。あれは、今でも現代の技術を駆使したクオリティ激高の商品が作られてますし、当時の物もそれはそれで欲しくなる逸品ですからね。
でも、アーサーには他のヒーローアニメにはないポイントがあります。例えば、普通のアニメの絵本だと家庭の方針や時と場合によっては買ってもらえなかったりすることがあると思うんですが、アーサーの絵本だと親も世界の名作の中の一つで、勉強になる本だと思って買ってくれそうな気がします。私が子供の頃も、普通のアニメの本はダメだけど、「一休さん」と「スプーンおばさん」はOKで、学級文庫や図書室に絵本が置いてあったことを覚えています。あと、世界名作劇場や「アニメ三銃士」「おーい竜馬」「ナディア」、ジブリシリーズも同じ扱いをされがち。「スプーンおばさん」なんか、ただNHKでやっていたというだけで内容は普通の娯楽アニメなのに、教育番組のような扱いをされて変なの~と当時から思ってましたよ。アーサーの絵本の画像を見ていたら、そんなことをいろいろ思い出しました。実際はどうだったんでしょうね??

全体的にRPG+戦隊ヒーロー+鎧アニメ+ディズニー+世界名作劇場 みたいなアニメでした。ツッコミどころは多いですが、細かいことが気にならなくてアニメが好きなら誰が見ても面白いと思えるアニメだと思います。もっと多くの人達に知ってほしい!あと、DVDやブルーレイを出してほしいですね。資料が何もないのでムック本みたいなのもあればもっとイイ。ロマンアルバムとか、放送当時に出していて欲しかったなぁ・・。


2023年11月11日 記