大空魔竜ガイキング


1976年に放送されていた「大空魔竜ガイキング」です。

私がこのアニメを知ったのは97年頃で、当時、東映アニメのOPとEDの映像だけを集めたビデオが出ていて、それをレンタルビデオで借りて見たのがきっかけでした。
主題歌の音楽レビューの所でも語っているのですが、そのビデオを再生しながら他のことをしていたらこのOPが流れてきて、♪わたしはしないぞ きみの みらい♪という所があって「えっ!『私はしないぞ』ってどういうこと?何をしないの?それよりロボット物でそんな歌詞ってある?!」と一瞬びっくりしたのが初めての出会いでした。こんなことを思ったのは私くらいだと思っていたら、ネットを見ると同じ勘違いをした人が結構いて「私だけじゃなかったんだなぁ、世の中にはやっぱりいろんな人がいるんだなぁ」と思ったものです(笑)。

その頃から私はいろんな昭和のロボットアニメを見まくるようになるのですが、このガイキングについてはあまり興味が持てませんでした。というのも、アニメ雑誌でもこのアニメについて取り上げられることはほとんどなく、資料本・研究本みたいな本も全く出ていなかったのでどんな感じの内容なのか全く想像がつかなかったからです。そんな訳で私にとってガイキングの情報といえば、OPとEDの映像しかなく、知っていたことといえば

・私はしないぞ
・キャラクターが全員小太り
・キャラクターが全員顎がしゃくれている
・キャラクターの名前が全員カタカでちょっと変わっている
・戦闘服とヘルメットがダサい
・メカのデザインのアクが強い
・フェースオープンが怖い

くらいでした(笑)。キャラの見た目については、デザイン上はそうじゃなくて(当たり前)、作画の問題でした。あと、他のロボットアニメに比べてメインキャラが多すぎるんじゃないかと思っていたけど、私の中の個人的な基準(戦隊やヒーロー物は5人が丁度良い)に対して、二人多い7人だっただけでした。「サイボーグ009」なんてメインだけで9人いるんだから、それと比べても全然多いことはないんですよね。。
上記の私の浅い知識からしてもわかるように、あまりいいイメージは持っていなかったんですよ。OPやEDの絵もなんか荒っぽい感じですし
それが、なぜ今回見る気になったかというと、10年以上前に東映チャンネルで放送された時に「いつか見るかもしれないから、一応録画しておくか」と撮っておいたDVDが出てきたからです。10数年越しに「見てみるか」と思い立って見てみたら、想像以上に面白くてあっという間に全話見てしまいました。発売されているDVDが欲しくなってしまったほどです。面白すぎて、作画の荒っぽさもあまり気にならなくなりました。「キン肉マン」とかも客観的に見るとあまりいい絵とは思えないけど、ハマるとカッコよく見えてくるし、アラも気にならなくなったので、そのことを思い出しました。本当に面白いと感じる物は絵柄なんて関係ないんですよね。
いつものことながら、前置きがとても長くなりましたが感想を語りたいと思います。

まず、良かった点から。
・OPが良い。
私はこのOPが大好きです。特に好きなのが♪迎え撃て~ テレッテッテッテレ 大空魔竜ぅ~♪の所からで、急に曲調が明るくなるところと、子供合唱団が良い。あれを聴くとなんだかとても懐かしい気分になって泣きそうになってしまいます。今時、子供合唱団が♪むかえうて~♪なんて言って応援(?)してくれる歌なんてないですからね。この曲にかぎらずいろんなアニメソングを盛り上げていた当時のコロムビアゆりかご会は偉大!
私はこの歌をカラオケで歌おうとしたことがあるのですが、どう調節してもキーが合わず上手く歌えませんでした。誰か女性の方でこれを歌いこまれている方がいれば(いるのか?)える方法を教えていただきたいです(笑)。

・キャラクターが良い
メインキャラ7人+博士+関係ないのになぜか主人公達と行動を共にする子供。この9人によって話が進んでいきますが、それぞれキャラが被ることもなく個性的でとても良かったです。この当時のアニメキャラらしく、いつも何事にも全力投球ですが、全員で全力ギャグをやってくれる回まであったのにはとても驚きました。主人公のツワブキサンシローは最初はよくある熱血主人公だと思っていたら、なかなかユニークな性格で面白いと思いました。それにしても、「サンシロウ」じゃなくて「サンシロー」・・まるで猫城主の「さんじゅーろー」みたい・・。
あと、博士がとても優しくて見ていて嫌な気分にならないところがイイですね。人間関係的には大空魔竜はめちゃくちゃイイ職場ですよ(笑)。仕事さえちゃんとしていれば文句言われなさそうですしね。ピンチに陥る率が結構高いのが玉に傷だけど。
7人は全員個性的なので、一言で紹介することが出来ます。
ツワブキ サンシロー「熱血野球」、ピート・リチャードソン「生意気埴輪マニア」、フジヤマ ミドリ「異星人ヒロイン」、ファン・リー「香港カンフー」、サコン・ゲン「天才高IQ」、ヤマガタケ「ボスのそっくりさん」、ハヤミ ブンタ「理知的デブ」
アイドルとかと同じで、これだけキャラがいれば自分の推しキャラが必ず見つかるってもんです。サンシロー、ピート、サコンだけじゃなく、ヤマガタケも最高に魅力的だぜ!!一番影が薄かったのがハヤミブンタさんですね。メイン回も一回くらいしかなかったような??

・予告が良い
大体、この頃のアニメの予告は主人公かナレーターが多かったのに、ガイキングではその次の回のメインになるキャラが代わる代わるやっているのがとても良かったです。予告を毎回違うキャラがやるなんて、この時代ではかなり珍しいと思います。しかも、最後は「〇〇にスタンバイ!」と決めゼリフで締めてくれるのもとてもイイ!
その番組の主人公が「俺が〇〇したら〇〇だったんだ 次回もみてくれよ」と視聴者に語りかけるパターンの予告はいいのですが、一番面白くないのはナレーターが事務的にやるやつで、「次回、〇〇にご期待下さい」で締めるのが、なんか冷たい気がしてあまり好きじゃないです・・。80年代以降はほぼないと思いますが、70年代はこの「ご期待下さい」パターン、結構ありますね。ナレーターがやるなら千葉繁さんくらいのテンションでやって欲しいです。

・ストーリーが良い
なんといってもコレに尽きると思います。と言っても、のアニメのすごい所は、基本の流れゼーラ星人が地球を乗っ取ろうとしているぞ。大空魔竜とガイキングで地球を守るんだ!」を壊さなければもう何でもあり。全話通してあまり一貫性はなく、好きなキャラを使って好きなように話を作っているという感じです。(本当の所はどうかわかりませんが。)でも、そんなところがすごく良くて、ロボットアニメ定番の友情や家族愛の回、キャラの過去回、危機一髪回、パワーアップ回、メルヘンや恋愛回、ギャグ回等、いろんなパターンの話が揃っていたと思います。戦いの内容を難しくしなかったおかげでいろんなテーマの話が見れるのは、飽きることもないしとてもいいなと思いました。調査と言っていろんな土地に行くのも良かったし。

・大空魔竜がカッコいい
私は最初このアニメのメカのデザインがあまり好きじゃありませんでした。ガイキングの上半身がガイコツっていうのもスゴイんですが、あの胸の部分がデカすぎるのが気になっていました。フェースオープンは確かにインパクト大で、何度見ても「見てはいけないものを見てしまった」感があります。でも私はむしろバゾラーのデザインの方が苦手で・・。あれは私が苦手なこいのぼりとか、ゲイラカイトと同じにおいがするんですよ(笑)。でも、本編でヤマガタケにいろいろ言われて怒ったり、ちょっと表情が変わったりするのを見たらなんだか可愛く見えてきました。大空魔竜も、OPでダンゴムシ状になってるのを見て、謎形態だなと思っていたのですが、ずっとみていると愛着が沸いてきました。それにしても、みんな普段あの中で寝食を共にしているんですよね。アクロバンチもいいけど、狭そうだから住むには大空魔竜がイイですね(笑)。尾に近い方になると機械の音がうるさいっていう細かい設定も面白いです。

逆に、残念だった点は

・作画が雑
個人的にはこれが一番でした(笑)。全体的に絵がバラバラで、一体どれが基本なのかわからなかった程です。普通、どんなに時間がなかったとしても1話と最終話はきれいな絵なのが普通だと思うんですけど、1話からしてイマイチでした・・。EDの絵と全然違うじゃん・・と思いましたよ。
上に載せている絵は、DVD発売の時の越智一裕さんの絵ですが、音声は当時のものをそのまま使って作画のみこの絵でリメイクされたら絶対に見ますよ!!他のアニメもそうだけど、ぜひそういう企画をやってみてほしい・・。

・戦闘服とヘルメットがダサい
青ブルマと白タイツっスゴイなと思ったんですけど、戦闘服がブルマとタイツなのはこのアニメに限ったことではありません。それなのに特別に気になったのはやっぱり作画の問題だと思います。単にあのガイキングキャラのドスコイ体系に白タイツとブルマが合わなかっただけですね。博士も珍しく隊員達と同じデザインの戦闘服を着ていますが、一人だけ青タイツでブルマ免除なのがズルい。
ヘルメットは、ここに載せてる絵を見ると別に気になりませんでした。ということは、これも作画の問題だったのかもしれませんヘルメットのダサさで言えばダイナミック作品の方が上かも・・(^^;)
あと、ミドリの私服はもっと可愛いのにしてほしかった・・。

・ミドリが異星人なのが唐突すぎる
いろいろなことが唐突なのはこの当時のアニメによくあることで全然珍しくないのですが、それにしても唐突すぎました(笑)。まさに取って付けたような設定と展開だったのですが、この回が放送されたのはわりと初期の方なので行き当たりばったりという訳でもなさそうなんですよね・・。それなら何か伏線があった方が良かったと思うし、見た目がちょっと他のキャラと違う(目の描き方が違うとか、髪が青いとか)とか、少しくらい「何か秘密がありそうだ」というヒントを出しておいてほしかったです。

・OPのラスト、出撃してない奴がいる
これは別に残念な点じゃなくて、単なるツッコミです。ピートとブンタが出撃しようとしていません(笑)。その代わりにミドリとサコンが2回出てくるんですよね。♪守ってみせるぞ 君の幸せ♪の後、みんなが「行くぜ!」となっている止め絵のシーンです。最後まで結局描きなおされることがなかったのが残念でした(笑)。
番組タイトルが初っ端からいきなり紙芝居のように現れるのもなかなか大胆だと思います。あの時代のやつだと字が動いたり光ったり、何らかの工夫がされているのが多いのに、潔く白バックにドーンと「大空魔竜ガイキング」ですからね。多少、文字が画面左寄りなのも初めて見た時から気になっていました(笑)。

そんなわけで、めちゃめちゃ面白かったので、ちゃんと見て良かったです。
ここにたどり着いて読んでくださっている方はおそらく見たことある方がほとんどだと思いますが、もし見たことがなくて迷ってらっしゃる方がいれば、おすすめです。配信で無料で見れたりしますしね。一日に2話ずつくらい見ていくのが丁度いいと思います。飽きないですよ。私なんて、一日2話じゃ足らなくて5~6話一気見したりしてすぐに見終わってしまいました・・。

 

2022年12月8日 記