ビデオ戦士レザリオン 全話レビュー 14話

内容
敬の学校ではクラス対抗の校内マラソン大会が行われようとしていた。クラスの代表の1人に選ばれ、アンカーになった敬は優勝を目指して毎日特訓をしてマラソン大会に備えていた。このところ、反乱軍の攻撃が全くないので地球連邦軍は安心しきった毎日を送っていたが、それをいいことに大統領は地球の廃棄物を木星に捨てに行くという計画を実行する命令を下した。廃棄物を積んだ宇宙船は反乱軍に攻撃されてしまい、敬はマラソン大会を棄権して出撃するはめに・・。そしてその代わりの選手に名乗り出たのはオリビアだった。

この回もアレなんですよね~・・・。13話から引き続き、個人的「レザリオン・ワーストエピソード」ベスト3の中のひとつです。ちなみに、中でもこれが輝ける第1位!!それから2位が13話「休日戦争」です。13話はふざけ過ぎな所がダメだったんですが、これはマジに鬱話な所がダメなんですよー・・。主人公が努力したことが報われず、誰にもわかってもらえないまま話が終了してしまうというパターンで、視聴者はそのモヤモヤした感情をどこへ持っていけばいいのかわかりません。79年版の「サイボーグ009」にはそれ系の話が多かったんですけどね。「戦うマシーンにはさせない」とか「ウエストサイドの決闘」とか、ご存知の方はそのあたりを思い出していただければあの「後味の悪さ」を理解していただけるかと思います(苦笑)。あと、「一休さん」の「めでたくもあり めでたくもなし」もそれ系エピソードの最高峰(^_^;)、それから「スタージンガー」でもそういう話があったと思います。昔のアニメって厳しいですね。

敬の学校では創立記念のマラソン大会が行われようとしていました。クラスから数名代表選手を決めることになったのですが、スポーツが大得意の敬は圧倒的多数の票を集め、アンカーに選ばれました。「俺が俺が」と最初から立候補しようとしていたり、選ばれたとわかったら机の上に上ってはしゃいだり、ひとりで大騒ぎの敬。他の話のレビューの時、「敬の学校でのポジションが微妙」だと書きましたが、このエピソードでそれが明確になります。
チームで練習を始めれば、一人でどんどん先へ行ってしまい(途中でへばってしまうのですが・・(汗))チームワークを乱したり、どうやら敬は集団行動が苦手のようです。
視聴者から見れば、いつも命懸けでレザリオンで戦っていることと、学校の勉強を両立させようと努力(一応)していることで敬はヒーローとして写りますが、何も知らないクラスメイトからすれば敬は単にサボりのいい加減な奴にしか写っていないのです。そんな敬に勝手な行動を取られてしまい、チームのリーダー・佐々木君はイライラを募らせます。そんなこんなで敬とチームメイトの間には溝が出来てしまいました。

絶対に優勝してみせるとやる気満々の敬にオリビアは毎日の早朝トレーニングを提案しますが、眠くてふにゃふにゃの敬はやる気がありません。そんな敬にオリビアは「優勝出来たらご褒美にキスをしてあげる」と約束します。大喜びの敬はそれから急にやる気になったのでした。ちなみに敬の「父ちゃん、俺はやるぜ!!」(巨人の星ネタ)が聞けるのはこのシーンです(笑)。そんな時、敬はよそ見して走っていたおかげで牛乳配達のアルバイトをする佐々木にぶつかってしまいます。「早朝トレーニングはいいが、チームワークを乱すな」と冷たく当たる佐々木。敬との溝は深まるばかりです。
佐々木のお父さんは民間の宇宙船の船長で、戦争中はガードベルトを超えることが出来ないので失業中。そのためアルバイトをしているという理由があったのですが、このことはクラスメイト全員が知っていることで、1人だけ知らなかった敬はオリビアに「学校に関心がない証拠よ」と言われていました。

敬のクラスメイトの様子は話によって違うのですが、共通するのはオリビア以外のクラスメイトと関わることがほとんどないということです。あっても今回のような微妙な感じなのです。敬の同性の友達といえば、アメリカにいるパソコン友達のデビットくらいで、近くにいるクラスメイトよりも遠く離れていても趣味のわかるネット友を親友に・・・という所に現在の風潮を予測させるようなことが描かれていてスゴイなぁと思いました。
それとも、単にオリビアとの関係を深く描きたかっただけかもしれませんけどね。仲間を増やしすぎても「秘密で戦っている」という部分を強調できなくなってしまいますし・・。

そんな時に今度はオリビアのパパが登場。今回のパパは反乱軍に加入させられているようです(汗)。どうでもいいんですが、パパって登場するたびに違うことをさせられてるんですけど・・・。気弱モードのパパは射撃訓練をいやがっています。11話で見張りさせられてた時は凛々しかったんですけどね。今回はよっぽど射撃訓練がイヤだったんでしょう。反乱軍では、何も行動を起こさないゴッドハイドに「こんなにのんびりしていていいんですか」とインスパイアがやきもきしています。ゴッドハイドは「こちらが行動を起こさなければ向こうから何か仕掛けてくるだろう」と考えていたようですが、なんだかどうでも良くなってきてませんか(汗)??一ヶ月間も我慢できるなんて、やっていることは別として結構気長でのんびり屋さんな性格なんですね。

地球連邦軍は一ヶ月間も反乱軍の攻撃がなかったのを良いことに、ずいぶんたるんでしまいました。モンローを相手にダンスを楽しむシルベスタ将軍がエロいです。そんな時、大統領に呼び出された将軍は「地球から出た廃棄物を木星に捨てに行く」という計画を実行するように命じられます。廃棄物処理場と化したことで反乱が起こって戦争になった訳なのになんということを・・・と将軍達でなくても思ってしまいます。反乱軍が攻撃をしてこないのは地球連邦軍に恐れをなしたからだと油断しまくりです。おまけに、廃棄物を載せた宇宙船を護衛なしで捨てに行かせるという無謀な注文付き!!無茶だと憤慨した将軍達は、結局宇宙船をG1・G2に護衛させることにしました。

最初はダラダラしていた敬も、オリビアと毎朝特訓したおかげで随分早く走れるようになり、敬とチーム内の距離も随分縮んできたようでした。そしてマラソン大会の当日、自信満々の敬を香取家は総出で応援に来ています。単なる校内マラソン大会に両親だけでなく兄や姉まで仕事を休んで駆けつけるというのが凄すぎなんですけど・・(笑)。香取家は仲良しのほのぼの一家ですね。普段は落ちこぼれの敬の数少ない晴れ姿ということで両親はウキウキです。
そんな晴れ舞台に徐々に忍び寄る黒い影・・・ご想像の通り、敬が走る時になって例の廃棄物を載せた宇宙船が反乱軍に襲われたのです。G1・G2だけでは防ぎきれないと将軍や博士は応援しに来たふりをして敬を迎えに来ます。おまけに、宇宙船のパイロットは佐々木のお父さんということも判明!敬は仮病を使って基地へ行きレザリオンで出撃します。
棄権した敬に代わってアンカーに名乗り出たのはオリビアでした。オリビアは「敬も命懸けで頑張ってるんだから・・」と気を失いそうになりながら走り、敬も「オリビアが頑張ってるんだから・・」と懸命に戦います。相変わらず二人ともいじらしいですね(>_<) そして、オリビアは1位になり敬のクラスは優勝、敬も無事に反乱軍を倒したのでした。

その後、敬にとって厳しい現実が待ち構えていました・・・。「直前になって逃げ出すなんて卑怯だ」と敬はチームのみんなに殴られてしまいます。思わずオリビアはみんなに本当のことを言ってしまいそうになりますが、敬に止められます。卑怯者扱いされた上に絶交宣言されてしまった敬に「ひどいわ。くやしいでしょう」とオリビアは号泣しますが、敬は「何を言われようと君さえ本当のことを知っていてくれれば平気だよ」と慰めるのでした。
ここで終わっていればカッコよかったのに、敬は調子に乗ってオリビアにキスをねだります。オリビアは「調子にのるな!」と平手打ち。最後に『忍者ハットリくん』とか『パーマン』のラストみたいに丸い枠の中に入った敬が「ヒーローは辛いね」みたいなことを言って終わり。

最後は明るくさっぱりと終わらせるためにこういう感じにしたんでしょうけど、なんだかかえってかわいそうな感じがしたのは私だけでしょうか(T_T) 私としては二人が抱き合っているシーンで終わらせた方が心温まったのに、と思います。

佐々木の奴・・と思ってしまいそうになりますが、佐々木は何も悪くないのです。佐々木目線で見ると敬は最後までいい加減な奴なんですよね。単独行動をとったり、牛乳配達を邪魔されたり、本番の一番大事なときにいなくなったり・・。
それにしても、本番まで毎朝特訓したり、佐々木の境遇に同情したりしていたのに最後の最後で全てパーになり、信用を失ってしまった敬がかわいそうでたまらない。ますますクラスに馴染めなくなるんだろうなぁ~・・。最初から敬が真面目に取り組んでいればもっと違う目で見てもらえたかも・・??自業自得という気がしないでもないですが・・。それから、一生懸命走ったのに、一切評価されなかったオリビアもなんだか走り損になってます。最後の「君さえ本当のことを知っていてくれれば」というセリフはイイですね。感動しました。

他の点から見ると、今回の話の面白い所は、戦いを挑発してきたのが反乱軍ではなく、地球連邦軍という所です。廃棄物を捨てに来なければ反乱軍は別に攻撃してこなかったんですよね。ちなみに、大統領が宇宙船に護衛を付けずに運ばせようとしたのは「自分が指揮する地球連邦軍のおかげでこんなに平和になった!」ということを皆にわからせるためです。それを次の大統領選につなげようとしている・・・というのはシルベスタ将軍談なんですけど、こんな政治的理由が絡んでいるとはやたらリアルですね。

実は、このレザリオンレビューを始めてから、一番憂鬱で気に掛かっていたのがこの話でした。全話やると宣言したからにはやっぱりこの話もやらなくちゃいけないのかと・・・。他の話は気が向いたときに何気なく見るんですが、この話はわざわざ休みの前の日を選んで覚悟して見ました。次の日もまた仕事だという時にこんなへヴィーな話を見ると、疲労が重なりますからね。大袈裟じゃなくて、本当ですよ(笑)。

13話「休日戦争」を初めて見たのは早朝勤務の前の日の夜中でした。早く寝なくちゃいけないのに憂鬱になり「このままじゃ眠れない!!」と思って気を紛らわすためにこの話を続けて見たら、さらに憂鬱な内容でますます眠れなくなってしまいました。結局この13話・14話を見た後、1時間くらい眠れず、翌朝6時30分出勤なのに3時間くらいしか眠れなかった・・というエピソードがあるんですよ(笑)。今回のレビューのため、何度も繰り返し見たので今ではもう随分慣れましたけどね・・。





2008年10月9日 記